「手に職をつけたい。でも、特別な経験も資格もない」
「電気工事士に興味はあるけれど、理系じゃないと難しそう」
AIの進化や景気の変動により多くの仕事の在り方が変わる中で、電気工事士は「なくならない仕事」として、今、再注目されています。しかし、具体的ななり方が分からず、興味はあるけれど一歩踏み出せないという方が少なくありません。
専門職ゆえに「難しそう」と思われがちですが、実は電気工事士は、学歴や年齢、これまでの経歴に関係なく、未経験からでも十分に目指すことができる職業です。
この記事では、電気工事士の仕事の基本から資格の取り方、そして未経験から一人前の電気工事士になるための具体的なステップを解説します。
そもそも電気工事士とは?一生食いっぱぐれない仕事

電気工事士は、建物の電気設備を施工・管理し、安全に使える状態を保つ仕事です。住宅や店舗、オフィス、工場など、電気が使われる場所には必ず必要とされます。
私たちの暮らしや事業活動を支えるインフラに関わる仕事であり、景気の影響を受けにくい点も大きな特徴です。
人々の安全を守る「業務独占資格」
電気工事士は「電気工事士法」に基づく国家資格であり、電気設備の工事や取り扱いを行うために必須の資格です。
感電や火災といった重大な事故を防ぐため、一定の電気工事は有資格者でなければ行えないと法律で定められており、無資格での作業自体が禁止されています。
このように、電気工事士は資格を持つ人だけが業務を行える「業務独占資格」にあたります。資格が仕事に直結するため、景気や時代の変化に左右されにくく、安定したニーズが見込まれます。
電気工事士資格の種類と違い
電気工事士には、大きく分けて第二種と第一種の2種類があります。
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗など、600ボルト以下で受電する設備の工事を行えます。試験に合格すれば実務経験がなくても免状を取得でき、更新の必要もありません。未経験者が最初に目指す資格として最も一般的です。
第一種電気工事士は、第二種の範囲に加え、ビルや工場などの自家用電気設備の工事にも対応できます。試験合格後、3年以上の電気工事実務経験を満たすことで免状が交付されます。また、5年ごとに定期講習を受ける義務があります。
2021年(令和3年)の法改正により、免状取得に必要な実務経験が5年から3年に短縮され、未経験からでも段階的にステップアップしやすくなりました。また、2025年(令和7年)から学科試験合格後、次回だけでなく「次々回」の試験まで学科免除が適用されるようになりました。
》電気系資格で初心者が最初に取るべき資格は?種類や取得する順番を解説!
参照:
経済産業省 - 電気工事士法施行規則の一部改正について(令和3年2月10日)
経済産業省 - 電気工事士法施行令の一部を改正する政令が閣議決定されました(令和6年12月20日)
電気工事士になるには?未経験から目指す2つのルート

電気工事士を目指す方法は、大きく分けて2つあります。未経験から現場に入る人が多いのも、この仕事の特徴です。
資格を取ってから就職する(独学・専門学校)
専門学校や独学で勉強し、資格を取得してから就職するパターンです。基礎知識を身につけた状態で現場に入れる点はメリットといえます。
一方で、実務経験がないため、基礎知識があっても就職後は見習いからのスタートになります。学費や教材費がかかることや、資格取得まで無収入の期間が生じる点は考慮しなければなりません。
就職してから働きながら資格を取る
未経験者として電気工事会社に就職し、働きながら資格試験の勉強をするパターンです。実際にこのルートで入社し、数年で資格を取得して現場の中心メンバーとして活躍している人も少なくありません。
「未経験でも就職できるの?」と思われるかもしれませんが、実際には多くの電気工事会社が無資格・未経験者を受け入れています。入社後は見習いとして、資材運びや器具の取り付け補助など、資格が不要な作業から経験を積んでいきます。
給料を得ながら学べることに加え、技能試験で必要になる工具の使い方や配線のコツを、現場で直接学べる点は大きな利点です。さらに受験費用や講習費用を会社が支援してくれるケースもあり、未経験者にとって効果的に技術を学び、稼げる選択肢といえます。
電気工事士試験の概要と難易度

電気工事士試験は、学歴、年齢、職歴に関係なく、誰でも挑戦できます。試験の仕組みはシンプルで、未経験からでも段階的に対策しやすいのが特徴です。現場で経験を積みながら勉強を進めることが、効率的な試験対策になります。
学科試験と技能試験の内容
電気工事士の試験は、第一種・第二種ともに学科試験と技能試験の2段階で行われます。
学科試験は「四肢択一方式」で、電気の基礎理論、配線図、法令などが出題されます。近年はCBT方式(パソコンで解答を入力する方式)も導入され、より受験しやすくなっています。技能試験は、事前に公表される候補問題の中から出題され、持参した工具を使って配線図どおりに作品を完成させる実技試験です。
試験の難易度と合格率
第二種電気工事士の合格率は、学科試験が概ね60%前後、技能試験が70%前後とされています。決して低い数字ではなく、独学でも十分に合格をめざせます。
学科試験は過去問題を繰り返し解くことが効果的です。技能試験は、実際に手を動かして練習することが欠かせません。練習用キットを使い、制限時間を意識して取り組むことで、安定した合格につながります。
参照:一般財団法人 電気技術試験センター - 第二種電気工事士試験の試験結果
電気工事士の将来性とキャリアパス

電気工事士は、安定したニーズが見込まれる仕事です。資格を取得し、経験を重ねることで、キャリアや収入アップが期待できます。
需要は拡大中!AIに代替されにくい仕事
電気工事士は、社会の変化とともに活躍の場が広がっています。EV充電設備や太陽光発電、蓄電池、スマートホームなどの設備は、導入に伴って配線工事や電源まわりの増設、点検・交換といった作業が必要になります。
現場ごとに条件が異なるため業務の自動化が難しく、AIに置き換えられにくい点も特徴です。状況を判断しながら作業を行える技術者は、今後も変わらず求められます。
未経験からのキャリアアップと年収目安
未経験で入社した場合は、見習いとして年収300万円程度からスタートするケースが一般的です。
第二種電気工事士を取得し、実務経験を積むことで400万円台をめざせます。さらに第一種電気工事士を取得すれば、500〜600万円以上の収入につながることもあります。
その後は、職長として現場を任されたり、独立開業という道を選んだりと、経験に応じてキャリアを広げていけます。独立後は、働き方や受注内容によって年収1,000万円以上を目指すことも夢ではありません。
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未経験から電気工事士を目指す際の会社選びのポイント

未経験から電気工事士を目指す場合、会社選びはその後のキャリアや収入に大きく影響します。特に、資格取得や現場経験をどのように積ませてくれるかは、長く働き続けられるかどうかを左右します。
会社ごとの特徴を理解しておくことが、未経験から無理なく成長するための近道です。以下のポイントを確認してみましょう。
資格取得支援制度の有無
受験費用や講習費用を会社が負担してくれるかどうかは、未経験者にとって重要な判断材料です。
電気工事士の仕事は、資格を取得することで任される業務の幅が広がるため、資格取得を前提とした育成方針があるかどうかで、その後の成長スピードが変わります。制度として支援が用意されている会社ほど、長期的に人を育てる姿勢があり、未経験からでも安心して経験を積みやすい傾向があります。
教育体制
未経験から現場に入る場合、実務を通して学べるOJT(現場での指導)が整っているかは重要なポイントです。
先輩社員と同行しながら作業を覚え、段階的に任せてもらえる環境があると、無理なく技術を身につけやすくなります。わからないことを質問しやすい雰囲気があるかどうかも、長く働くうえで大切です。
工事の種類
電気工事とひと口に言っても、会社によって扱う工事の内容は大きく異なります。住宅の配線工事が中心の会社もあれば、商業施設や工場、外線工事を多く手がける会社もあります。
施工事例を確認し、自分がどの分野で経験を積みたいかを意識して選ぶことで、仕事への理解が深まり、無理なく続けやすくなります。
》電気工事士に向いてる人とは?仕事のリアルと自分に合う求人の探し方を紹介
まとめ

電気工事士は、社会や生活に欠かせない電気を扱う専門職です。資格が必要な「業務独占資格」であるため、安定したニーズが見込まれ、景気や時代の変化に左右されにくい特徴があります。
未経験からでも現場に入り、働きながら資格と経験を積み重ねていける点は、電気工事士ならではの魅力です。第二種電気工事士から第一種へと段階的にステップアップすることで、キャリアや収入面での成長も期待できます。
未経験から長く活躍するためには、最初の会社選びが大切になります。まずは求人サイトで、未経験者を受け入れている会社がどのような環境を用意しているのかを確認し、自分に合った一歩を踏み出してみてください。
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電気工事士としての成長や将来の働き方は、最初にどの会社で経験を積むかによって大きく左右されます。特に未経験からスタートする場合は、資格取得を支援してくれるか、現場で段階的に仕事を覚えられる体制があるかといった点が重要になります。
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