電気系資格で初心者が最初に取るべき資格は?種類や取得する順番を解説!
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CJマガジン編集部

公開日:2025年09月12日

更新日:2026年10月05日

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電気系資格で初心者が最初に取るべき資格は?種類や取得する順番を解説!
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「将来性のある電気工事の仕事、挑戦してみたい」

そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、キャリアアップについて調べ始めると、必ず目にするのが「資格取得」という言葉。「資格の種類が多すぎて、何から手をつければいいのか分からない…」そんな悩みを抱えていませんか?

本記事では、電気系の資格に初めて触れる方でも理解できるよう、資格の全体像と合格率、最初に目指すべき資格、受験資格や免状の条件によって取る順番が決まってしまう理由、そしてあなたの理想のキャリアに合わせた取得の順番まで、一つひとつ丁寧に解説します。

なぜ、電気系の資格が初心者におすすめ?取得するメリットとは

私たちの暮らしは電気なしでは成り立ちません。住宅や店舗はもちろん、オフィス、工場、商業施設など、あらゆる場所で電気は使われ、その設備の更新や点検は絶えず発生します。だからこそ、電気工事の仕事は景気の波に左右されにくく、常に安定した需要があります。法令で有資格者の配置が義務付けられている現場も多く、電気工事士は社会に必要不可欠な専門職なのです。

「経験がないと難しそう…」と思うかもしれませんが、電気工事は未経験からでもキャリアを築きやすい分野です。その登竜門といえる「第二種電気工事士」は、学歴や実務経験といった受験資格の制限が一切ありません。国家資格なので全国どこでも通用し、転職やU・Iターンにも有利です。求人では資格手当として給与に反映されることも多く、キャリコンジョブに掲載中の電気工事の求人43件(2026年9月29日時点)のうち、資格手当の金額を明記している11件はいずれも月5,000円でした。

電気系の資格は、キャリアの階段を一段ずつ登っていくようにステップアップできるのも特徴です。第二種電気工事士で基礎を固めた後、より大規模な設備を扱える第一種電気工事士へ。現場のリーダーを目指すなら電気工事施工管理技士へ。設備の保安監督という専門性を極めるなら電気主任技術者へ。資格を取得し、任される責任が大きくなるほど、それは評価や待遇の向上に直結します。

資格と経験で収入はどう変わるか

厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、電気工事従事者の平均年収は628.1万円です(企業規模10人以上・産業計。きまって支給する現金給与額の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足した金額)。ただし、この平均は電力会社などの従業員1,000人以上の企業が752.9万円と高く、全体を押し上げています。この規模の企業で働く人は電気工事従事者の約4割を占めます。従業員10〜99人の企業では545.8万円、100〜999人では558.8万円で、中小の電気工事会社に就職する場合はこちらが実態に近い数字です。

経験年数別に見ると、収入が段階的に上がっていく様子がはっきりします。所定内給与の12か月分に年間賞与を足した金額は、経験0年で323.3万円、1〜4年で455.1万円、5〜9年で503.0万円、10〜14年で565.1万円、15年以上で669.4万円です。第二種電気工事士で現場に入り、経験と上位資格を積み重ねるほど収入が伸びていく職種だといえます。

》令和7年賃金構造基本統計調査 職種別の給与額(e-Stat)

電気系の資格は何がある?主要な資格の種類と役割

電気工事士(第一種、第二種)

電気工事士は、配線やコンセントの設置といった電気工事の「実作業」を行うために必須の国家資格です。この資格は第二種と第一種に分かれています。第二種は、私たちが普段利用する住宅や小規模店舗などの「一般用電気工作物」の工事を担当します。一方、第一種を取得すると、その範囲が小規模な工場やビルなど、より大規模な「自家用電気工作物(最大電力500kW未満)」まで広がります。現場での需要が最も高く、学んだ知識がすぐに実務へ直結するため、電気工事キャリアのまさに基本となる資格と言えるでしょう。

試験は学科試験と技能試験の2段階で、いずれも年2回行われます。令和7年度の合格率は、第二種が学科試験56.6%・技能試験71.7%、第一種が学科試験57.4%・技能試験58.1%でした。第一種は試験に受験資格がありませんが、免状の交付には3年以上の実務経験が必要です。

》第二種電気工事士試験の試験結果と推移(電気技術者試験センター)

電気工事施工管理技士(1級、2級)

電気工事施工管理技士は、工事全体の計画を立て、プロジェクトを円滑に進めるための「現場監督」の役割を担う国家資格です。具体的には、工程・安全・品質・原価という、工事の根幹をなす4つの要素を管理します。資格は1級と2級に分かれており、2級は中小規模の工事、1級は大規模な建設プロジェクトまで、あらゆる工事の管理責任者として活躍できます。図面の読解や関係者との調整能力が求められるため、現場をまとめるリーダーシップを磨きたい方に最適な資格です。

受験資格は令和6年度に見直され、2級の第一次検定は試験実施年度に17歳以上であれば実務経験なしで受けられます。一方、第二次検定には、電気工事士試験の合格または免状交付後に1年以上の実務経験を積むなどの条件があります。

》2級電気工事施工管理技術検定のご案内(建設業振興基金)

電気主任技術者(第一種、第二種、第三種)

電気主任技術者は、通称「電験」とも呼ばれ、発電所や工場、ビルなどの電気設備が安全に運用されるよう保守・監督を行う「保安のプロフェッショナル」です。この資格は扱う電圧の大きさで第一種、第二種、第三種に分かれており、一般的には電圧5万ボルト未満の設備を扱える第三種から挑戦します。上位資格を取得すれば、より大規模な施設の保安監督を担えます。実際の工事作業よりも、設備の安定稼働や法令に基づいた保守点検に関心がある方、施設管理の専門家を目指す方に向いています。

受験資格はなく年2回実施され、CBT方式でも受けられますが、令和7年度の第三種の合格率は13.0%(受験者48,942人・合格者6,365人)と、電気系の資格の中でも際立って低い難関です。科目合格の制度があるため、数年がかりで取得する人が多い資格でもあります。

初心者が候補に入れやすい周辺資格

ここまでの3系統のほかにも、電気工事と相性がよく、初心者が最初の候補に入れやすい資格があります。

消防設備士は、消火器や火災報知設備などの点検・工事を行う国家資格です。受験資格のない乙種第6類(消火器)は令和7年度の合格率が35.6%、電気工事と関わりの深い甲種第4類(自動火災報知設備など)は34.5%でした。甲種には受験資格がありますが、電気工事士の免状があれば受験でき、試験科目の一部も免除されます。

工事担任者は、電話回線やLANなどの通信設備を接続する工事に必要な国家資格で、こちらも受験資格はありません。通信設備の工事に携わりたい人が、第二種電気工事士と組み合わせて取ることの多い資格です。

低圧電気取扱業務特別教育は、試験のない講習です。600V以下の電気設備の作業に就くときに労働安全衛生法で受講が求められるもので、資格というより安全のための教育として、入社後に会社が受けさせるのが一般的です。

ここまでに挙げた資格の受験資格と令和7年度の合格率を、下の表にまとめました。

最初に目指すべき初心者におすすめの資格は?

数ある電気系資格の中で、未経験の方が最初の一歩として踏み出すのに最もおすすめなのが「第二種電気工事士」です。

その理由は、挑戦のしやすさと将来の広がりにあります。

前述の通り、第二種電気工事士には受験資格がなく、誰でもチャレンジできます。令和7年度の受験申込者は18.5万人と、電験三種の約6.7万人や第一種の約5.1万人を大きく上回り、電気系の資格の中で最も多くの人が挑戦しています。電気の基礎から実際の作業まで、合格への道筋が明確なため、初めて資格学習に取り組む方でも目標を立てやすいのが大きなメリットです。

そして、この資格はキャリアの「起点」となります。取得後は、より大規模な工事を手がける「第一種電気工事士」、現場全体を管理する「電気工事施工管理技士」、保安のプロフェッショナルである「電気主任技術者」など、自分の興味や適性に合わせた道を選びやすくなります。就職や転職の際にも「まず持っていると有利な資格」として評価されやすく、あなたの可能性を大きく広げてくれる、まさに登竜門となる資格なのです。

受験の日程と費用の骨格

第二種電気工事士の受験手数料は、インターネット申込みで11,100円です(令和8年度・非課税)。試験は学科試験に合格してから技能試験に進む流れで、上期・下期の年2回実施されます。令和8年度上期は学科試験が5月24日、技能試験が7月18日・19日で、学科の合格から技能試験まで約2か月です。令和9年度からは、学科試験が原則としてCBT方式(試験会場のパソコンで解答する方式)に移行します。

申込みから免状交付までの手順、独学に必要な勉強時間や工具代の目安は、未経験から電気工事士になるにはで詳しく解説しています。

自分に合う仕事かどうかを先に確かめておきたい方は、次の記事も参考にしてください。

▼あわせて読みたい

》電気工事士に向いてる人とは?仕事のリアルと自分に合う求人の探し方を紹介

取る順番を間違えると遠回りになる3つのパターン

資格を取る順番は、好みや難易度だけで決まるものではありません。受験資格や免状交付の条件によって、順番の半分はあらかじめ決まっています。よくある3つの遠回りを、先に知っておきましょう。

第二種を飛ばして第一種から受ける

第一種電気工事士の試験は、第二種を持っていなくても受けられます。しかし、免状の交付には3年以上の電気工事の実務経験が必要です。電気工事士法では無資格者が電気工事に従事できないため、実務経験として数えられるのは、現実には第二種の免状を持って現場で働いた期間です。つまり、先に第一種に合格しても、免状が早く手に入るわけではありません。

なお、試験合格前の実務経験も算入できるので、第二種で3年働いてから第一種を受ければ、合格後すぐに免状を申請できます。順番は「第二種→現場で3年→第一種」と考えておくのが確実です。

》電気工事士の免状交付(電気技術者試験センター)

電験三種から始める

第三種電気主任技術者(電験三種)にも受験資格はなく、初心者でも申し込めます。ただし、合格率が1割台の難関であるうえ、電験は電気設備の保安監督を行うための資格であって、工事を行うための資格ではありません。電験三種を取っても、配線やコンセントの設置といった電気工事はできないのです(電気工事は電気工事士の独占業務です)。

現場で働くことが目的なら、まず第二種電気工事士で現場に入り、保安の仕事に進みたくなった段階で電験三種を目指す順番が現実的です。

施工管理技士を先に狙う

2級電気工事施工管理技士の第一次検定は、17歳以上なら実務経験がなくても受けられるため、「先に取れそう」に見えるかもしれません。しかし、第二次検定には、電気工事士試験の合格または免状交付後に1年以上の実務経験を積むなどの条件があります。第一次検定だけでは技士にはなれず、現場監督として使える資格にはなりません。

「第二種電気工事士→現場経験→2級→1級」という順番は、制度で決まっていると考えてよいでしょう。

【キャリア別】資格を取得する際におすすめの順番

第二種電気工事士を取得した先には、どのような道が広がっているのでしょうか。ここでは代表的な3つのキャリアプランと、おすすめの資格取得順をご紹介します。

電気工事のプロフェッショナルを目指したい

(第二種電気工事士 → 第一種電気工事士)

まずは第二種電気工事士を取り、住宅や店舗工事の基礎をマスターしましょう。配線図の読解から器具の選定、結線まで一通り習得すれば、現場で即戦力として活躍できます。次に第一種電気工事士にステップアップすれば(免状の交付は実務経験3年後)、工場やビルなどの設備にも対応可能になります。扱える電圧や機器の種類が格段に広がり、太陽光発電といった新しい分野にも挑戦しやすくなります。経験を積むほどに頼られる場面が増え、単価アップにもつながる王道のキャリアプランです。

メンテナンス業界で活躍したい

(第二種電気工事士 → 消防設備士 →第三種電気主任技術者)

建物の安全を守る仕事に興味がある方に向いているキャリアです。第二種で電気の基礎を固めた後、消防設備士の資格を取得すれば、火災報知器やスプリンクラーといった防災設備の点検・工事も担当できます。電気工事士の免状があれば甲種の受験資格が得られ、試験科目の一部も免除されます。安定した需要が見込めるのがこの分野の強みです。消防設備士の具体的な難易度や取得手順については、以下の記事で解説しています。

▼あわせて読みたい

》消防設備士の難易度は高い?種類や資格別の難易度、取るべき順番を徹底解説!

また、将来的に電験三種を取得し、受変電設備の保安監督まで担えるようになれば、建物全体の電気と安全を見渡せる、非常に価値の高い人材として重宝されるでしょう。

こうした建物の維持管理を行う「ビルメン(ビルメンテナンス)」の実際の働き方や現場のリアルについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

▼あわせて読みたい

》ビルメンはやめとけと言われる理由とは?現場のリアルと未経験でも失敗しない会社選び

現場のリーダーや管理職を目指したい

(第二種電気工事士 → 2級電気工事施工管理技士 →1級電気工事施工管理技士)

現場で采配をふるいたい、という方におすすめのキャリアです。第二種で現場作業の基本を身につけ、実務経験を積んだ後、2級電気工事施工管理技士(第二次検定には実務経験が必要です)で工程・品質・安全・原価を管理する能力を養います。1級電気工事施工管理技士まで取得すれば、大規模プロジェクトの司令塔として活躍の場が広がります。近年ではBIM/CIMといった最新のデジタル技術を駆使し、協力会社の選定から発注者との交渉まで主導することもあります。大きな裁量を持ち、プロジェクトを成功に導く達成感を味わえるでしょう。

まとめ

電気工事のプロとしてキャリアを築いていく上で、資格取得はあなたの進むべき道を照らす、強力な羅針盤となります。

この記事でお伝えした通り、未経験者にとっての最適なスタート地点は「第二種電気工事士」です。受験資格がなく、基礎から着実に学べるこの資格は、あなたの未来の選択肢を広げるための最初の扉を開けてくれます。第一種の免状に必要な実務経験、施工管理技士の第二次検定の条件、電験の位置づけを踏まえると、「第二種→現場経験→上位資格」という順番は制度で決まっているともいえます。

その先には、工事のプロフェッショナルを目指す道、メンテナンスの専門家になる道、現場のリーダーとして活躍する道など、様々なキャリアが広がっています。

資格の学習は、日々の小さな積み重ねが大きな力になります。理想のキャリアを描き、その実現に向けた第一歩を、今日から踏み出してみませんか。

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