「建設」と「建築」の違いとは?仕事内容・資格・将来性まで徹底解説!
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CJマガジン編集部

2025年08月29日

2025年08月29日

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「建設」と「建築」の違いとは?仕事内容・資格・将来性まで徹底解説!
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「建設業界に興味があるけど、建築との違いがよくわからない」

そんな疑問を抱えていませんか?一見すると似ているこの二つの言葉ですが、就職や転職を考える上では、その違いを理解しておくことが、後悔しないキャリア選択の鍵となります。

この記事では、「建設」と「建築」の違いを、それぞれの定義から仕事内容、必要な資格、そして未来の展望まで、あらゆる角度から徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたがどの道に進むべきか、そのキャリアパスがより明確になるはずです。

「建設」と「建築」の違いとは?

まず知っておきたいのは、「建設」と「建築」はまったくの別物ではないという点です。 結論から言うと、「建設」という大きな枠組みの中に、「建築」や「土木」をはじめとする様々な専門分野が含まれています。つまり、建築が担う領域も、広義の『建設』の一部を構成しているということです。

これは法律(建設業法)でも定められています。建設業法では「建設工事」を全29種類に分類しており、そこには家を建てる「建築一式工事」や、ダムや道路をつくる「土木一式工事」のほかにも、電気、水道、造園など多岐にわたる工事が含まれています。

これらすべてを合わせたものが「建設」であり、「建築」はその中核をなす分野の一つと位置づけられています。

建設とは?

「建設」とは、建物をつくる「建築」や、社会全体の基盤を整備する「土木」を中心に、社会を支える様々なものづくりを包括した言葉です。それぞれの役割を見ていきましょう。

【建築】―人々の暮らしの「器」をつくる仕事

建築は、地面の上にある建物全般をつくる分野です。個人住宅やマンション、学校、病院、商業施設など、人々が活動するあらゆる空間が対象となります。 設計段階から深く関わることが多く、構造の安全性はもちろん、デザインの美しさ、空間の使いやすさまで、利用者の視点に立った細やかな配慮が求められます。この分野で活躍する代表的な専門家が「建築士」であり、「建設士」とは呼びません。

【土木】―社会全体の「土台」をつくる仕事

一方、土木は地面や地下、山、川、海などを相手に、社会全体の基盤(インフラ)を整備する分野です。道路や橋、ダムや堤防、上下水道の配管、宅地造成などがこれにあたります。 「建築が地上のハコ(建物)をつくる仕事」なら、「土木は地面とその下、そして人々の生活の動線をつくる仕事」と考えると分かりやすいでしょう。

たとえば、新しい街を開発するプロジェクトを想像してみてください。マンションや商業施設を設計し、完成させる工程は「建築」の領域です。そして、その街へのアクセス道路を整備し、電気や水道といったライフラインを整えるのは「土木」や「電気工事」「管工事」といった専門分野の仕事です。このプロジェクト全体を動かす事業こそが、「建設」なのです。

ちなみに、大規模な工事を総合的に手掛ける「ゼネコン(総合建設業者)」の社名に「〇〇建設」が多いのは、建築と土木を核としながら、様々な専門工事を束ねて社会基盤づくりを総合的に担っているからです。そして、これらの事業全体に関わる産業が「建設業界」と呼ばれています。

建設業と建築業の仕事内容や資格の違い

「ものをつくる」点は共通していますが、建設業と建築業では、携わるプロジェクトの規模や内容、そして求められる専門資格が明確に異なります。

建設(※今回は一例として土木分野を紹介します。)

国が定めた法律(建設業法)に基づき、建物だけでなく道路、橋、ダムといった社会インフラ全体をつくる仕事です。国家レベルの公共事業も多く、プロジェクトの規模が大きいのが特徴です。 現場では、測量や地盤改良、コンクリート打設など土木特有の専門技術が求められます。

主な資格として、1級/2級土木施工管理技士(現場の指揮官)、測量士(工事の基礎となる測量の専門家)、コンクリート技士などが挙げられます。また、各種重機を操作するための技能講習修了証や運転免許も必須となります。

建築

法律上の正式な定義はありませんが、一般的に家やビルなど「建物」に特化して工事を行う仕事を指します。 住む人・使う人の快適性や安全性、街並みとの調和まで考慮した、デザイン性と機能性を両立させる高度な専門性が求められます。

この分野で必要となる主な資格は、一級/二級建築士(建物の設計・工事監理の専門家)、1級/2級建築施工管理技士(建築現場のリーダー)です。特に一級建築士は、超高層ビルや大規模な商業施設など、あらゆる建物の設計が可能です。近年はCADスキルを証明する資格も重視されます。

建設業界と建築業界の将来性

社会を支える両業界ですが、それぞれ異なる形で未来への展望が広がっています。

建設業界の将来性

建設業界は、今後も安定した需要が見込まれる分野です。高度経済成長期に造られたインフラ(道路、橋、上下水道など)が一斉に老朽化し、全国で補修・改修工事のニーズが急増しているためです。 また、防災・減災対策の強化や、リニア中央新幹線のような国家プロジェクトも控えており、長期的な雇用の安定が期待できます。 さらに、ドローンや3Dスキャナ、BIM/CIM(※)といった先端ICT技術で生産性を向上させる「i-Construction」も推進されており、よりスマートで魅力的な働き方へと進化を遂げようとしています。

(※)BIM/CIM:3次元モデルに様々な情報を統合し、調査・設計から施工、維持管理まで全工程で活用する仕組み。

建築業界の将来性

建築業界を支える中心的なジャンルが新築住宅です。少子高齢化により新築住宅の着工数は緩やかに減少していますが、それに代わって、既存の建物の価値を高めるリフォームやリノベーション市場が盛り上がっています。

また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)といった省エネ性能を備えた建築へのニーズが増加しており、環境配慮型の設計・施工が求められています。さらに、建物の設計から維持管理までを一元的に管理する「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」の普及が進みつつあり、建築業界もデジタル技術との融合が進行しています。

》建設業に未来はないと言われる理由は?将来性や未経験でも活躍できる業界の魅力を紹介!

建設会社と建築会社、就職するならどっち?

自分がどんな仕事をしたいのか、どんなやりがいを実感したいのかによって、建設会社と建築会社のどちらを選ぶかは変わってきます。

大規模なインフラ工事に携わりたいなら「建設会社(ゼネコンなど)」

道路、ダム、トンネルといった規模の大きな土木工事は、まさに社会の土台をつくる仕事です。国家的なプロジェクトに関わり、多くの人の生活を根底から支える。そのダイナミックさと社会貢献度の高さは、建設業ならではの醍醐味です。

人々の暮らしに近い建物をつくりたいのなら「建築会社(ハウスメーカー・設計事務所など)」

個人の住まいから多くの人が集う商業施設まで、人々の暮らしに密着した空間づくりに魅力を感じるなら建築会社が向いています。クライアントの夢を形にし、デザインや使いやすさに徹底的にこだわる。近年では、建物の企画や運営まで踏み込んでコンサルティングすることが求められるなど、より複合的でクリエイティブな職能へと進化しています。

》現場仕事の種類って何がある?現場のリアルなやりがいや未経験からの始め方を紹介

まとめ

「建設」と「建築」は、似ているようで役割も仕事の範囲も異なります。

建設: 社会インフラ全体を支え、建築や土木をはじめとする多様な専門分野を包括した大きな枠組み。

建築: 人々の暮らしの「器」である建物に特化した、専門的な仕事。

この違いを理解することは、あなたが自身のキャリアを考える上での重要な第一歩です。どちらの道を選んでも、未来の社会を形作る、誇りとやりがいに満ちた仕事があなたを待っています。

自分がどんな現場で、どのように社会に貢献したいのか。じっくりと考え、あなたらしいキャリアを選んでいきましょう。

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