
水道、ガス、空調など、私たちの生活に欠かせないライフラインを支える「配管工」。景気に左右されにくく、インフラの老朽化が進む現代の日本において、その需要は増すばかりです。社会貢献性が高く、将来的にも仕事がなくなる心配の少ない、まさに「手に職」の代表格と言えるでしょう。
そんな配管工の仕事ですが、実際のところ「どれくらい稼げるのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、配管工のリアルな年収事情から、地域別の給与相場、そして年収1000万円も夢ではない高収入を目指すための具体的なステップまで、詳しく解説します。
配管工の年収はいくら?
配管工の平均年収は、令和6年賃金構造基本統計調査によると、約486万円です。
(※賃金構造基本統計調査より、配管従事者の数値を参照)
もちろん、これはあくまで平均値で。年収は個人の経験やスキル、保有資格によって大きく変動します。
求人情報を見ると、未経験者でも年収300万~400万円、経験者であれば年収500万以上といった待遇も多く見られ、企業側が積極的に人材を求めていることがうかがえます。
では、年齢や経験によって収入はどのように変わるのでしょうか。実際のデータに基づき、そのリアルな年収事情を詳しく見ていきましょう。
まずは、年齢と共に年収がどう変化するのかを見てみます。
20代で年収400万円を超えると、現場のリーダーである30代~40代では500万円以上の高い水準で推移しています。そして55~59歳でキャリアのピークである約555万円に達します。その後、減少する傾向にありますが、60代以降も高い収入を維持できる点は、まさに生涯現役で活躍できる専門職ならではの魅力と言えるでしょう。
次に、経験年数と年収の関係です。
グラフの通り、未経験(0年)で始まった年収は、経験と共に右肩上がりに上昇。1~4年で約358万円、5~9年には約430万円へとアップし、15年以上のベテランでは平均500万円の大台を超えます。
このように配管工は、自身の成長が収入に直結し、年齢と共にキャリアを築いていける、将来性と魅力にあふれた職業と言えるでしょう。
》厚生労働省|令和7年賃金構造基本統計調査 業種別主な職種早見表
地域によっても年収は変わる?
配管工の年収は、働く地域によっても大きく変わります。令和6年賃金構造基本統計調査のデータを基に、特に年収の高い都道府県トップ10を見てみましょう。
(※令和6年度のデータを元に作成しているため、年度によって変動はあります。)
首都圏・関西圏
これらの地域は、大規模な公共工事や商業施設、マンション建設といった高単価な案件が集中しています。都市インフラ需要と、相対的に高い人件費が、安定した高年収につながっている可能性があります。
北陸・中部地方
職人技術を重んじる地域性から、技術を持つ人材が高く評価され、資格や技能手当が手厚いため、年収が高い可能性があります。特に寒冷地では、冬季の水道管凍結対策など専門技術が求められるため、それが収入に反映されるケースも見られます。
意外な高年収エリア(島根・奈良・三重・山梨など)
これらの地域は、大都市圏に隣接しつつも、職人が不足している地域のため、人材確保のため年収が上がりやすい傾向があるのではないかと予想されます。近隣の大阪や東京の都市開発の影響を受けている可能性も考えられるでしょう。
どんな人が向いている?
やりがいも収入も大きい配管工の仕事。ここでは、どんな人が向いているのか、3つのポイントで見ていきましょう。
高所・閉所での作業が苦にならない人
天井裏や床下といった狭く暗い場所、時には高所での作業も発生します。こうした特殊な環境でも冷静に作業に集中できるタフさが求められます。
手先が器用な人
配管工の仕事は、パイプの切断や接続など、ミリ単位の精度が求められる繊細な作業の連続です。手先が器用で、丁寧な作業をコツコツと続けられる人には、まさに天職と言えるでしょう。
責任感がある人
もし施工にミスがあれば、漏水やガス漏れといった人命に関わる大事故につながりかねません。一つひとつの作業に「自分がインフラを守る」という強い責任感と、仲間と連携する協調性を持って取り組む姿勢が不可欠です。
配管工で高年収を狙うには?年収1000万円を目指すことは可能?
配管工としてキャリアをスタートし、高収入を得るためには、キャリアプランが重要です。ここでは、年収1000万円を目指すための具体的な4つのステップを紹介します。
年収アップをめざすためには資格取得が重要!
高収入への第一歩は、国家資格の取得です。資格はあなたのスキルを客観的に証明し、キャリアアップへの最短ルートとなります。
管工事施工管理技士:
現場の司令塔!施工計画から安全管理までを担う責任者です。資格手当はもちろん、役職手当も期待でき、年収が大きくアップします。
配管技能士:
まさに職人の腕の証。技術力を証明し、社内評価や昇給に直結する重要な資格です。
建築設備士:
設計や工事監理も担える上位資格。より上流の工程から仕事に関われ、キャリアの選択肢が大きく広がります。
ニッチな「専門分野」でスキルを身につける
他の人ができない専門スキルを身につけることも、収入を飛躍させる強力な武器になります。
例えば、医療施設のガス配管、半導体工場の特殊配管、空調・冷媒配管、消防設備といった分野は、非常に高い専門性が求められるため、担える人材が限られています。こうしたニッチな市場のスペシャリストになれば、引く手あまたとなり、高単価の仕事を選べる立場になることも可能です。
一人親方として独立すれば1000万も?
十分な経験と資格、そして人脈を築けば、「一人親方」として独立・開業する道も開けます。元請けから直接仕事を受注できるようになれば、会社員時代とは比較にならない収入を得ることも可能で、年収1000万円超えも夢ではありません。
建設業界では腕ききの職人が個人事業主として活躍するケースもあり、営業力や経理、経営管理能力があれば、会社勤めよりも高収入を得られることがあります。
条件の良い会社に就職・転職する
「独立はハードルが高い…」と感じる方にとって、最も現実的で確実な年収アップの方法が「より条件の良い会社への転職」です。
今の会社の給与や待遇で物足りなさを覚えているようでしたら、今回紹介したように給与の高い都市部の会社や、社員の資格取得支援に積極的で、評価制度が明確な会社を選びましょう。
自分の適性やスキルを正当に評価し、頑張った分だけ給与や待遇に反映してくれる会社に身を置くことが、結果的に高収入への一番の近道になることも少なくありません。
まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
・配管工の平均年収は約486万円。経験やスキル次第でさらに上を目指せる。
・近年は人手不足により給与が上昇傾向にあり、未経験者でも挑戦しやすい。
・年収は地域差が大きく、首都圏や関西圏などの都市部で高い傾向が見られる。
配管工は、社会インフラを根幹から支える、誇りとやりがいに満ちた仕事です。確かな技術を身につければ、年齢を重ねても安定して稼ぎ続けることができます。この記事が、あなたのキャリアプランを考える一助となれば幸いです。
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