「将来を考えると、安定して稼げる仕事に就きたいな」
「未経験からでも、専門性が身につく仕事ってあるんだろうか」
「資格があれば、今よりキャリアアップできるかもしれない」
そんな思いから資格を軸に長く働ける仕事を探していくと、「消防設備士」という選択肢が目に入ることもあります。
しかし、実際に検索してみると、安定していそうな一方で「やめとけ」「きつい」といったネガティブな声もあり、判断に迷う方もいるのではないでしょうか。
結論から言えば、「やめとけ」と言われるには、確かに理由があります。しかし、それを補えるほどの「安定性」と「将来性」がある職業であることも事実です。「やめとけ」という声の多くは、職業そのものではなく、働く環境や会社選びによるミスマッチが原因です。
この記事では、消防設備士という仕事のリアルな実態を整理しながら、未経験者が後悔しないために知っておくべきポイントを徹底解説します。
なぜ「消防設備士はやめとけ」と言われるのか?

消防設備士は、建物や人々の安全を守るうえで欠かせない仕事である一方で、働き方や現場環境によっては負担に感じやすい点もあります。なぜ「やめとけ」という声が上がるのか、その理由を見てみましょう。
体力的にきつい場面が多い
消防設備士の業務では、ある程度の体力が必要です。例えば、最も一般的な業務用の消火器は、1本あたり約4〜6kgの重さがあります。現場では、これを複数運搬したり、古くなったものを回収して新しいものと交換したりしなければなりません。避難ハッチのような数十kgある金属製の器具を扱う場面もあります。
また、大型商業施設や病院では建物内を広く移動するため、1日で1万歩以上歩くことも珍しくありません。夏の屋上点検や冬の屋外作業、天井裏や狭い機械室、高所での作業など、環境面で大変さを感じる場面もあります。
勤務時間が不規則になりがち
消防設備士の仕事は、建物の利用者がいない時間帯に行われることがあります。商業施設やホテルなどの点検業務は、利用者が少ない閉店後の時間帯や休日に行われることが多く、勤務時間が一般的な会社員と異なりやすい傾向があります。
また、会社によっては24時間365日の緊急対応を行っている場合があります。誤作動やトラブルがあれば、深夜や休日でも現場へ急行しなければならないため、「いつ呼び出されるかわからない」という状況が、精神的な負担になることがあります。
見習い期間の現実
「消防設備士は稼げる」と聞いて業界に入ったものの、最初の数年で挫折してしまう人がいます。その原因の多くは、見習い期間の給与と資格取得の壁にあります。未経験かつ無資格のスタート時は、あくまで「補助作業員」としての扱いになるため、給与は低めに設定されがちです。
現場仕事に慣れるまでの時期は疲れが出やすく、資格取得の勉強時間を確保できないと、収入が上がらない状態が続いてしまいます。やめていく人の多くは、資格を取得して稼げる段階に入る前に、この負のスパイラルで挫折しているケースが多いのが実情です。
人間関係とコミュニケーションの難しさ
消防設備士は黙々と作業するだけの仕事ではありません。建物のオーナーや管理者への説明、消防署への対応など、人と関わる場面も多くあります。職人気質の先輩が多い現場もあり、最初はコミュニケーションに戸惑う人もいるようです。
責任や人命に関わるプレッシャー
消防設備士の仕事は、火災時に人命や財産を守るための重要な役割を担っています。もし点検ミスや施工不良があり、火災時に設備が作動しなければ、被害が拡大し、最悪の場合は人命に関わる可能性があります。真面目な人ほど、このプレッシャーを重く感じてしまうことがあります。
それでも「消防設備士」を目指すべき理由!「やめとけ」を覆す圧倒的なメリット

ここまで読むと、消防設備士は決して楽な仕事ではないと感じたかもしれません。それでも多くの人がこの仕事を選び、長く続けているのには理由があります。厳しさの先にある、消防設備士ならではの強みを見てみましょう。
消防法がある限り仕事はなくならない
消防設備士の仕事は、法律に支えられた安定性の高い職種です。消防法第17条により、一定規模以上の建物には消防設備の設置と、定期的な点検・報告が義務付けられています。これは景気が悪くても変わることはありません。
さらに、日本には膨大な数の既存建物があります。新築工事が減っても、既存の建物がある限り、点検や老朽化した設備の更新工事は半永久的に発生し続けます。
AIに奪われない「現場仕事」の強み
近年、AI(人工知能)による仕事の自動化が話題ですが、消防設備士はAIに代替されにくい職業の一つです。建物は一つひとつ構造が異なり、現場の状況も違います。複雑な配線の不具合を見つけたり、狭い場所に入り込んで機材を交換したりするアナログな作業は、ロボットやAIには困難です。現場ごとの臨機応変な判断が求められるため、20年後、30年後も必要な仕事と言えるでしょう。
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資格さえ取れば年収アップ&食いっぱぐれない
消防設備士は、資格を持つ人だけが工事・点検を行える「業務独占資格」です。そのため、多くの会社で資格手当が設定されており、取得後は収入が安定しやすくなります。特に、乙種6類(消火器)や甲種4類(自動火災報知設備)は需要が高く、転職市場でも評価されやすい資格です。実務経験と資格を積み重ねることで、将来的に独立開業を目指すことも現実的な選択肢になります。
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社会貢献度がとにかく高い
消防設備士の仕事は、万が一の火災時に人命や財産を守るための備えを支える役割です。自分が手がけた設備が、誰かの安全につながる——そんな実感を抱きながら働ける点は、この仕事ならではのやりがいと言えるでしょう。
未経験からでも「手に職」がつく
消防設備士は、学歴や経歴に関係なく、未経験からスタートしてプロフェッショナルになれるのも魅力です。現場作業だけでなく、現場の管理業務などを担うケースも多く、年齢を重ねても無理なく働ける管理業務などへ、キャリアチェンジしやすいのも特長です。一度技術と資格を身につけてしまえば、日本全国どこへ行っても働くことができ、「一生モノの技術」を手に入れることができるのです。
消防設備士に向いている人・向いていない人

ここまで読んで、「自分にできる仕事だろうか」と感じている方もいるかもしれません。消防設備士は、向き・不向きが比較的はっきり分かれる仕事です。仕事内容を理解したうえで、自分に合うかどうかを整理してみましょう。
こんな人にはおすすめしない(向いていない人)
消防設備士は、体力を使う作業や屋外・汚れ作業を避けられない場面があります。そうした環境に強い抵抗がある場合、働き続けるのは難しくなります。また、資格取得を前提とした仕事であるため、勉強をする気がない場合、長期的なキャリアアップは期待しにくいでしょう。
こんな人こそ輝ける(向いている人)
責任感を持って仕事に向き合える人は、この仕事で力を発揮しやすい傾向があります。手抜きせず作業できる誠実さは何よりの才能です。また、円滑にコミュニケーションが取れる人も重宝されます。点検先での挨拶や説明、チームでの連携を大切にできる人は、技術以上に評価されることがあります。そして、いくつもある設備を一つずつチェックするような、コツコツとした作業を正確にこなせる几帳面さは、この仕事において大きな武器になります。
「点検」と「工事」どっちがいい?職種による違い

消防設備関連の会社は、大きく分けて「点検メイン」と「工事メイン」に分かれます。どちらを選ぶかによって、働き方や感じる負担は大きく変わります。自分の適性に合わない選択をすると、「やめとけ」と感じやすくなる点には注意が必要です。
点検メイン
すでにあるマンションや商業施設などの、消防設備が正常に機能しているかを確認する業務で、ビルメンテナンス業に近いイメージです。メリットとしては、工事に比べれば重労働が少なく、体力的な負担が軽い傾向にあります。また、マンション点検などでは女性スタッフの方が居住者に安心感を与えられるため需要が高く、女性も活躍しやすい環境です。定期契約に基づく仕事なので業務量が安定しているのも魅力です。
一方でデメリットとしては、毎日同じような点検作業の繰り返しになりがちで単調さを感じることや、写真整理や報告書作成などの事務負担が多い点が挙げられます。必要な資格としては、点検・整備のみであれば『乙種』でも可能ですが、キャリアアップには甲種が推奨されます。
工事メイン
工事メインの仕事は、新築の建物に設備を取り付けたり、老朽化した設備を新しいものに交換したりする仕事です。
点検に比べて体を動かす場面は増えますが、電気配線などの高度な施工技術が身につき、「手に職」の実感が強いことや、設備が完成し、正常に作動したことを確認できたときの達成感があります。業務の単価が比較的高く、技術力次第で高収入が狙え、独立もしやすい傾向にあります。
一方で、高所作業や工期に追われるプレッシャーなど、現場特有の大変さもあるため、ものづくりが好きな人や、現場作業にやりがいを感じる人に向いています。
工事には「甲種」の資格が必須となりますが、甲種の中でも複数の資格を取得すると、任される業務の幅が広がり、現場で頼られる存在になっていきます。
結論として、身体的な負担を抑えたいなら「点検」、技術を極めて稼ぎたいなら「工事」というように、自分の適性に合った方を選ぶことが重要です。
「やめとけ」と言われる会社を避ける!求人選びのポイント

最後に、後悔しないための会社選びのポイントをお伝えします。「やめとけ」と言われる原因の多くは、仕事内容そのものよりも「働く環境」にあります。特に未経験者の場合、最初の会社選びが、その後の働きやすさや成長スピードに影響するため、求人情報の見方を押さえておくことが大切です。
こんな会社は要注意!「やめとけ」となる企業の特徴
注意したいのは、労働条件や育成方針が不透明な会社です。例えば、年間休日が極端に少ないにもかかわらず、その理由や働き方の説明がないケースでは、慢性的な人手不足が背景にある可能性があります。
また、資格取得支援制度がなく、受験費用や講習費がすべて自己負担という会社では、未経験者が成長しにくい傾向があります。
教育体制が整っていないまま現場に出され、「見て覚えろ」という姿勢が強い職場では、負担が一部の人に集中し、結果的に離職率が高くなりがちです。
未経験者が優良企業を見極めるポイント
まず、資格手当の内容が具体的に明記されているかどうかは重要な判断材料です。どの資格で、いくら手当がつくのかが示されていれば、人材育成に本気で取り組んでいる可能性が高いと言えます。
次に、点検メインか工事メインかといった業務内容がはっきり書かれているかも確認したいポイントです。自分の適性に合った業務かどうか、求人票の「仕事内容」をよく読み解くことが大切です。
研修制度の有無や、先輩社員の声が掲載されているかどうかも、職場の雰囲気を知る手がかりになります。未経験から育った先輩のインタビューや、具体的な研修内容が掲載されている会社は、受け入れ体制が整っており安心できます。
まとめ

消防設備士が「やめとけ」と言われる背景には、体力的なきつさや不規則な勤務時間、責任の重さといった明確な理由があります。しかし、それ以上に「法律に守られた安定性」「AIに奪われない将来性」などといったメリットがある、非常に魅力的な職業であることも事実です。
重要なのは、仕事のきつい面も理解した上で、「点検か工事か」という自分の適性を知ること、そして何より「自分の適性に合った会社を選ぶこと」です。会社選びを間違えなければ、一生食いっぱぐれることのない、キャリアを築くことができるでしょう。
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未経験から消防設備士として成長できるかどうかは、どの会社で最初の経験を積むかによって大きく左右されます。資格取得を支援してくれるか、点検や工事を段階的に学べる体制があるかといった点は、特に重要なポイントです。
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