
「土木は稼げるって聞いたけど、思ったより給料が低い…」
「未経験からでも、安定した生活は送れるだろうか?」
「土木作業員のリアルな年収って、実際どのくらい?」
そんな疑問や不安を抱く方に向けて、本記事では公的な最新データを基にした、土木作業員のリアルな年収や、今日から実践できる具体的な年収アップの方法まで、分かりやすく解説していきます。
この記事が、皆様のキャリアプランニングと収入向上を実現するための一助となれば幸いです。
土木作業員のリアルな平均年収
まず、土木作業員の現在の平均年収を見ていきましょう。
厚生労働省が発表した「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、土木作業員(土木従事者)の平均年収は約415万円です。
直近の推移を振り返ると、以下のようになっています。
※年収は「きまって支給する現金給与額(月給)×12か月+年間賞与その他特別給与額」で算出した額面年収です。
コロナ禍で一時的に落ち込んだものの、現在は回復し、410万円前後で安定して推移していることが分かります。
ちなみに、建設業界全体の平均年収は約565万円というデータもありますが、これにはゼネコンの現場監督や設計者なども含まれます。建設業は元請け・下請けといった立場や、施工管理・技能職といった職務の違いによって給与水準は大きく変動するため、現場で働く作業員のリアルな数値として、約415万円を目安と考えるのが適切です。
また、この統計上の「土木従事者」には、土木作業員のほか、コンクリート打設工、線路工事作業者なども含まれます。現場の残業・夜勤・出張の有無や、各社の手当制度によっても体感は変わるため、あくまで一つの指標として捉えてください。
》建設業の平均年収って実際どう?国の最新統計で業界別・職種別に徹底比較!
【年齢別】土木作業員の平均年収
土木の世界は、経験が着実に賃金へ反映される分野です。年齢と共にスキルや役職が向上することで、収入も上がっていきます。
【10代】 約282万円
まずは工事の基本を学び、玉掛けなどの基礎資格を取得しながら、作業の幅を広げていく、すべての土台を築く重要な時期です。
【20代】 前半:335万円/後半:370万円
先輩作業員の指導を受けながら、現場での経験を通じて作業の精度が向上していきます。重機での作業など、任される仕事の責任範囲が広がり、資格手当なども付き始める頃です。
【30代】 前半:385万円/後半:468万円
職長の補佐や小規模なチームのリーダーを任されることもあります。単に作業をこなすだけでなく、工程・安全・品質など現場全体を考えた動きができるようになると、評価が大きく上がります。
【40代】 前半:465万円/後半:459万円
現場の中核を担い、協力会社との調整や発注者との折衝まで仕事の範囲が拡大していきます。経験が給与の安定に直結する、まさにキャリアの充実期です。
【50代】 前半:469万円/後半:454万円
体力的には若手に譲る一方、若手育成やリスクの早期発見といった、ベテランならではの経験値で会社全体の力を底上げする役割が期待されます。
【60代】前半:404万円/後半:482万円
働き方によって収入に差がつく年代です。熟練の技術者は、現場監督や点検といった役職につき、平均を上回る収入を得るケースも少なくありません。
地域差・企業規模で年収はどう変わる?
同じスキルを持っていても、働く場所や会社規模によって年収は大きく変わります。
一般的に、都市部で工事を多く手掛ける大規模な会社ほど、給与水準は高い傾向にあります。
実際に「令和6年賃金構造基本統計調査」のデータで比較してみましょう。
【都市部の例】
東京都:約687万円(月額 約47.7万円/賞与 約114万円)
愛知県:約590万円(月額 約39.4万円/賞与 約117万円)
大阪府:約544万円(月額 約36.4万円/賞与 約107万円)
【地方の例】
鳥取県:約441万円(月額 約31.3万円/賞与 約66万円)
島根県:約407万円(月額 約28.0万円/賞与 約71万円)
高知県:約405万円(月額 約29.2万円/賞与 約55万円)
驚くことに、東京都と高知県では年収に約282万円もの差が生じています。転職や独立を考えるなら、工事エリアや公共工事の割合、福利厚生までしっかり比較検討することが、年収アップの鍵となります。
※厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」表3「都道府県、職種(特掲)、性別…(産業計)」、職種「土木従事者,鉄道線路工事従事者」、性別「男女計」より算出。
土木作業員が年収を上げる5つの方法
キャリアアップの準備は、未経験からでもすぐに始められます。具体的な給与アップへのロードマップを紹介します。
関連資格を取得する
有効なのは、資格を取得して「できること」を客観的に証明することです。
まず挑戦したいのが、「玉掛け」「小型移動式クレーン」「車両系建設機械」といった技能講習系の資格です。これらは取得すればすぐに仕事の幅が広がり、資格手当の対象にもなりやすい、まさに鉄板の資格と言えるでしょう。
さらにその先、キャリアのゴールとして見据えるべきは、国家資格である「土木施工管理技士(2級から1級へ)」の取得です。この資格を手にすることで、あなたは一作業員から、安全・品質・工程の全てを統括する現場の管理者へとステップアップし、職長や現場監督への道が大きく拓けます。
経験を積んで役職者(職長・現場監督)を目指す
建設業界で最も評価されるのは「現場を動かせる」人材です。段取り、手配、リスク管理、安全徹底のすべてで采配をふるえるようになれば、役職手当が付き、収入は大きく上がります。30代で役職をもてると、収入のピーク帯である40代でさらに優遇されます。
専門スキルを極める
「この作業なら、あの人に任せたい」と言われるスペシャリストを目指すのも有効な戦略です。橋梁の補修、コンクリート打設、重機オペレーターなど、特定の領域で高い技術を身につければ、現場で引く手あまたとなります。
給与水準の高い会社に転職する
公共工事の受注が多い元請けや、それに準じる一次・二次下請け、そして資格制度に積極的な会社は、給与水準が高い傾向にあります。経験者なら、面接で「保有資格」「担当可能な工事」「無事故歴」といった定量的な実績を提示することで、有力な交渉材料になります。
独立して一人親方になる
高収入を目指せる最終的な選択肢の一つが独立です。努力が直接収入に反映される大きな魅力がありますが、営業から経理、保険まですべて自己責任となり、収入の変動リスクも伴います。まずは安定した取引先を確保し、労災保険への特別加入など、足場を固めてから踏み出すのが賢明です。
土木作業員の将来性は?仕事のやりがいと魅力
給与アップだけが仕事のすべてではありません。土木の仕事には、未来につながる大きなやりがいと魅力があります。
なくならない仕事!インフラ整備を支える社会貢献性
道路、橋、水道、鉄道…これらは人々の生活に不可欠なインフラです。そのインフラを創り、守り、維持していく土木の仕事は、社会がある限り決してなくなりません。特に近年は老朽化したインフラのメンテナンス需要が急増しており、土木作業員の活躍の場はますます広がっています。
「きつい」だけじゃない!進化する建設現場
「きつい、汚い、危険」というイメージは過去のものになりつつあります。ドローンによる測量、ICT建機の導入など、最新技術が現場の安全性と効率を劇的に向上させています。週休2日制の導入や福利厚生の充実に力を入れる企業も増え、働きやすい環境へと着実に進化しています。
また、厚生労働省は労働安全衛生規則の改正を2025年6月1日から施行し、熱中症対策を事業者の義務として明確化しました。指標に基づくリスク評価や、休憩・水分補給・冷却、緊急時の搬送手順の整備により、制度面でも安全性が高まっています。
人手不足だからこそ価値が上がる
業界全体で若手不足と高齢化が進む今、確かな技術を持つ人材は非常に貴重です。未経験からでも丁寧に育てる会社は多く、数年で現場に不可欠な人材へと成長できるチャンスが広がっています。真面目に技術を磨けば、全国どこでも通用する「食いっぱぐれない」スキルが身につきます。
建設業の将来性や業界の魅力について、さらに深く知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
》建設業に未来はないと言われる理由は?将来性や未経験でも活躍できる業界の魅力を紹介!
まとめ
土木は、もはや「体力勝負だけ」の仕事ではありません。資格、経験、専門性を着実に積み上げることで、年収は着実に上がっていく、将来性豊かな専門職です。
平均年収は約415万円ですが、これはあくまでスタートライン。あなたの努力次第で、500万、600万円、あるいはそれ以上を目指すことも十分に可能です。
先が読みにくいこれからの社会だからこそ、技術を身につけて社会貢献できる働き方は、何よりも安定していると言えるでしょう。この記事が、あなたのキャリアを切り拓くための一歩となれば幸いです。
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ここまで読んで、土木作業員として年収を上げるための具体的な道筋が見えたのではないでしょうか。
しかし、その努力を正当に評価し、成長を後押ししてくれる「環境」がなければ、キャリアアップは実現しません。
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