建設業界ではさまざまな資格があり、求められる経験や知識にも違いがあるため、所属する会社にあわせて、取得する資格を考えることが大切です。
しかし、建設業の資格は種類が多く、受験資格や概要も複雑なため、わかりにくいと感じる人も多いでしょう。
本記事では、建設業で特に取るべき資格を厳選してご紹介します。資格取得を考えている方はぜひ参考にしてください。
建設業界の資格難易度ランキングTOP10

まず、建設業界の資格難易度をランキングにしてまとめました。
※本ランキングは純粋な試験・受験資格の難易度順です。施工管理に興味がある方は、7位以降の「施工管理技士」からチェックしてみてください!
設計・診断・技術マネジメント系資格

設計・診断系の資格は、現場の施工管理系の資格と比べると、構造計算など、建築における専門知識や技術的判断力が重視されます。デスクワークやリモートワークにも対応しやすく、長期的なキャリア形成に有利です。
1位:空間情報総括監理技術者
空間情報総括監理技術者とは、日本測量協会が認定する資格で、地球上にあるさまざまな空間情報を地図上に表し、その情報を効果的に管理する技術者のことです。取得するには、国家資格である測量士と技術士両方の資格が求められます。
国土交通省・国土地理院・地方自治体のGIS(地理空間情報)関連プロジェクトで重宝される資格です。取得後は5年ごとの更新と、測量CPD(5年で40ポイント)の取得が必須で、常に最新知識が求められます。
受験資格は以下の要素を全て満たすことです。
-測量士の資格を取得していること
-技術士の資格または博士の称号を有していること(またはこれらと同等の能力を有すること)
-空間情報関連業務に 15 年以上従事していること
-空間情報関連業務の責任者を2回以上経験していること(原則として主任技術者)
試験形式は、特殊な形式となっており、具体的には以下の通りです。
-Word、PowerPoint資料作成(180分、3問)(自分のPCを持参)
-オンライン面接
資格が設立された初期の合格率は33〜59%でしたが、2025年度合格率は約16.3%となっています。受験難易度に加え、受験資格を獲得するまでの難易度も高く、資格取得難易度は最難関といえる資格です。
2位:一級建築士
建築系資格の最高峰ともいえる資格で、延べ面積500㎡超の大規模建築物の設計・監理をする際に必要な資格です。設計事務所への転職やキャリアチェンジが容易で、リモートワークにも対応できます。
特に大規模工事を行う大企業で高く評価され、年収アップ・独立開業の可能性が大きく広がる資格です。
受験資格としては、建築系の学部を卒業すること、2級建築を取得することなど、幾つかの方法があります。
ただし、学歴によって、免許登録の要件を満たす実務経験の年数が変わることに注意が必要です。4年制の大学であれば2年の実務経験が、2年制短大であれば4年の実務経験が求められます。
試験形式は、以下2つの試験を両方合格する必要があります。
-学科試験
-製図試験
2025年の学科試験の合格率は16.5%、製図試験は35.0%、総合合格率は11.4%ほどです。必要な学習時間は1,000時間以上といわれており、合格するには、長時間の勉強が求められます。
3位:コンクリート診断士
公益社団法人日本コンクリート工学会による資格で、コンクリートで作られた構造物の状況調査や補修・補強工事を立案する際の専門家です。4年ごとの更新制度で継続教育(CPD)の履修が義務付けられています。
取得には受験には講習eラーニング受講が必要で、実務経験または関連資格が必要となります。関連資格として認められるのはコンクリート主任技士、コンクリート技士、一級建築士などの資格です。こうした複雑な要件を満たすためにも、「資格取得支援制度」のある会社で働きながらステップアップしていくのがおすすめです。
合格率は2023年度は15.7%、2024年度は16.7%と毎年約15%前後で推移しています。試験としては、選択問題と記述問題があり、記述問題の正答率を高めていくことが合格のポイントです。
高度経済成長期のインフラ老朽化対策で、既存コンクリート構造物の劣化診断・維持管理の専門家として需要が高まっています。今後ますます重要性が高まる資格です。
4位:建築物環境衛生管理技術者(ビル管)
建築物環境衛生管理技術者(ビル管)は、延べ面積3,000㎡以上など、一定規模以上の特定建築物で環境衛生管理を担当する責任者になるために必要な資格です。
ビルメンテナンスに関わる業界で高く評価され、資格手当や昇給につながりやすいといわれています。
受験資格としては実務経験2年が求められます。しかし、それ以外の要件はないため、受験資格を満たすのはそれほど難しくありません。ただし、合格率は10〜20%程度と合格率は低く、建築物の構造、建築物の空調・給排水・清掃など総合的な知識が求められ、幅広い試験範囲をカバーする必要があります。
また、国家試験を受ける以外に、認定講習会を受講して修了考査に合格することで取得する方法もあります。この講習を受けるには、実務経験(5年以上など)に加え、「一級建築士などの特定の資格を持っていること」や「理系の大学を卒業していること」などの受講要件を満たす必要があります。
実務経験だけで誰でも講習を受けられるわけではないため、求人探しの際に「資格取得支援制度あり」の企業を選ぶことで、会社側から受講要件やスケジュールの手厚いサポートを受けるのが確実です。
5位:土地家屋調査士
土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記と、土地の境界を明らかにする専門家です。国民の財産を明確にし、不動産取引の安全を確保する極めて公共性の高い役割を担っており、不動産や建設に関わる企業で重宝されます。
難関資格ではありますが、取得すれば独立開業も視野に入ります。まずは資格手当が充実している測量会社や建設会社で働きながら、将来の独立に向けた実務経験を積むのがおすすめです。
受験資格は特にありませんが、測量士や測量士補、一級建築士などの資格を取得していると、試験の一部を免除してもらえます。そのため、比較的難易度が低い測量士補を取得し、午前試験免除を狙うのが王道の合格ルートです。
合格率は2023年度が9.66%、2024年度は11.00%と、10%前後で推移しています。偏差値64の難関国家資格です。
試験内容としては、法律知識(民法・不動産登記法)に加え、測量技術・作図能力の両方が求められます。また、選択式の問題と記述式の問題それぞれに足切り点が設けられており、それぞれ平均点以上の点数で足切りのボーダーラインが設定されていることが特徴です。
どちらの形式でも難易度が高く、独学での対策は難しいため、「資格取得支援制度」があり、会社負担で学校に通わせてくれる企業を選ぶことが合格への一番の近道です。
6位:建築設備士
建築設備士は、建物的電気や給排水などの設計・工事監理で必要となる資格です。具体的には、空調・衛生・換気などの設備について、建築物の快適性や機能性を保つにはどうすべきかという知識が求められます。
一級建築士と協働して、大規模建築物の設備設計を担当するのに役立つ資格です。設備設計事務所や設備工事会社で高く評価され、資格手当の対象となることも多々あります。また、建築士へのステップアップにもおすすめの資格です。
受験資格は実務経験が求められ、2〜4年程度の実務経験が必要です。学歴によって具体的に必要な年数は変わり、大卒であれば卒業後から2年以上の実務経験が求められます。
試験内容は一次試験の学科と、二次試験の設計製図というの二段階選抜方式で進められます。合格率は2024年度が21.5%、2025年度が15.7%となっています。
施工管理系資格

施工管理系の資格は現場での工事管理・品質管理・安全管理を担う監理技術者・主任技術者として必須の資格です。
建築現場では、施工管理の資格を持つ人材は不足しており、就職やキャリアアップにも役立つ資格といえます。ただし、資格ごとに対象業種の実務経験が求められるため、自身の会社や志望業界に合わせて資格を検討することが大切です。
7位:1級土木施工管理技士
1級土木施工管理技士は国家資格の一つで、土木工事の現場責任者(監理技術者)として配置することが必須の国家資格です。
大規模土木工事(道路・橋梁・ダム等)の施工管理を担当でき、現場ごとに配置が必要となるため、中小企業だけでなく大手ゼネコンでも評価され、昇給・昇進の条件になっていることも多々あります。
現在、制度改正によって【一次検定】は実務経験がなくても19歳以上なら誰でも受験可能になりました!これにより、未経験からでも働きながら早期に国家資格の肩書(1級技士補)を手に入れられるため、今まさに転職のチャンスとなっています。※二次検定の受験には、引き続き業務内容に応じた実務経験が求められます。
一次検定では、法律・施工管理・品質管理などさまざまな分野が出題範囲となっており、選択式の問題となっています。二次検定では、記述式の問題となっており、60%以上の得点率が求められます。
合格率は2024年の一次検定が44.4%、二次検定が41.2%、2025年度の一次検定が43.1%、二次検定が38.9%となっています。
8位:1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士は、大規模な建築工事の現場責任者(監理技術者)として不可欠な国家資格です。大規模建築工事の施工管理を担当でき、各現場に配置が必要になるため、キャリアアップに直結します。ゼネコン・サブコン・工務店など幅広い就職先で評価され、汎用性の高い資格です。
こちらも土木と同様、現在、制度改正によって【一次検定】は実務経験がなくても19歳以上なら誰でも受験可能になりました!これにより、未経験からでも働きながら早期に国家資格の肩書(1級技士補)を手に入れられるため、今まさに転職のチャンスとなっています。※二次検定の受験には、引き続き業務内容に応じた実務経験が求められます。
試験範囲としては、一次検定では建築学や施工管理法、法規についてなどが出題範囲となっています。二次検定も大まかな範囲は同様ですが、記述式となっており、受験者の実際に経験した業務の詳細を書く「経験記述」があることが特徴です。
合格率は2024年の一次検定が36.2%、二次検定が40.8%、2025年の一次検定が48.5%、二次検定が39.0%となっています。
9位:1級電気工事施工管理技士
1級電気工事施工管理技士は、電気工事の現場責任者として大規模工事の際に配置する必要がある役職です。1級電気工事施工管理技士があることで、高圧受電設備を含む大型建築物の電気工事を監理できるようになります。そのため、電気工事会社やプラント工事会社で評価が高く、資格手当の対象となりやすいため、人気がある資格です。
こちらも他の施工管理技士と同様に、制度改正により【一次検定】は実務経験がなくても19歳以上なら誰でも受験可能になりました!未経験からでも働きながら早期に国家資格の肩書(1級技士補)を手に入れられるため、今まさに転職のチャンスとなっています。※二次検定の受験には、引き続き業務内容に応じた実務経験が求められます。
試験範囲としては、建設業法や電気事業法など幅広い分野から出題されます。二次検定では、施工体制や工程管理・安全管理など実務に関わる記述問題を中心に構成されていることが特徴です。
合格率は2023年度の一次検定が40.6%、二次検定が53.0%、2024年の一次検定が36.7%、二次検定が49.6%となっています。
10位:1級舗装施工管理技術者
1級舗装施工管理技術者は大規模な道路舗装工事の監理技術者として配置される資格です。施工管理技士系の中推は、学習範囲が狭く、専門性が高いことが挙げられます。他の建築士では触れることが少ない、舗装の専門性(アスファルト混合物・路盤・排水等の知識)が要求されることが特徴です。そのため、舗装工事の経験者であれば効率的に学習できます。
道路インフラは老朽化対策・維持修繕工事が増加しており、舗装の専門知識を持つ技術者の需要が高まっています。公共工事の入札参加や経営事項審査で評価点が加算されるため、道路舗装工事会社や道路保全会社で重宝される資格です。企業から資格取得を推奨されることが多い人気の資格です。
合格率は2024年が10.8%、2025年度が26.9%となっています。
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まとめ

建設業界の資格は種類が豊富で、それぞれ受験資格や難易度、試験内容が大きく異なります。自分のキャリアプランや現在の実務経験を踏まえて、最適な資格を選ぶことが重要です。
建設業界全体で見ると資格を持った人材は不足傾向にあるため、資格を取得することで貴重な人材として重宝され、給与アップやキャリアアップする可能性は十分に期待できます。
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