塗装工に資格は必要?取得するメリットとキャリアに役立つ資格を紹介!
コラム
筆者画像

CJマガジン編集部

2025年10月10日

2025年10月10日

目次

塗装工に資格は必要?取得するメリットとキャリアに役立つ資格を紹介!
コラム
アイキャッチ

住宅やビル、巨大な橋梁に至るまで、あらゆる建物を美しく彩り、風雨から守る「塗装工」。社会を支えるやりがいの大きな仕事であり、ニーズが安定しているため、未経験からでも「手に職」をつけられる魅力的な職業です。経験を積んで資格を取得すれば、給与や待遇は着実に向上し、将来的には独立という道も拓けます。

塗装工事自体は、法律で資格が必須とされているわけではありません。しかし、資格を持つか持たないかで、その後のキャリア形成や収入に大きな差が生まれるのも事実です。

本記事では、塗装工としてキャリアを築く上で「資格」がいかに重要か、そして具体的にどの資格を目指すべきかを解説します。未経験からプロの塗装工を目指すための具体的な道のりも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

塗装工に資格は必要?

結論から言うと、塗装工事を行うために資格は必須ではありません。未経験者でも塗装会社に就職すれば、見習いとしてすぐに現場に立つことが可能です。多くの場合、最初は現場の清掃や塗料がつかないように保護する「養生」といった補助的な作業から始まり、先輩の指導のもとで少しずつ技術を学んでいきます。

ただし、資格を持たないまま仕事を続けると、任される範囲やキャリアの広がりに限界が出てきます。国家資格や公的資格を取得すれば「技能を公的に証明できる」「安全性を担保できる」という強みが加わり、キャリア形成に大きな差をつけることができます。さらに、多くの企業が資格手当や昇進の条件に資格取得を掲げているため、収入アップにも直結します。

つまり、塗装工に資格は必須ではないものの、プロとして一人前になり、安定した収入とキャリアを築くためには、極めて強力な武器になると言えるでしょう。

塗装工が資格を取得するメリット

資格を持たなくても塗装工の仕事はできますが、取得することで待遇や働き方に大きな違いが出ます。資格取得による具体的なメリットを見ていきましょう。

メリット①:技術力を客観的に示せる

資格は国や公的機関が認めた技能の証明です。特に国家資格である「塗装技能士」を取得すれば、社内での評価はもちろん、顧客や取引先からの信頼にも繋がります。有資格者が現場にいるという事実は、それだけでお客様に大きな安心感を与え、チーム全体の評価向上にも貢献します。

メリット②:給与・待遇がアップする

給与や手当に直結するのも大きな利点です。たとえば、塗装技能士2級を取得すると、企業によっては月額5,000円〜1万円程度の資格手当が支給されることもあります。年収ベースで見れば数十万円の差になることもあり、待遇改善を目指すなら、資格取得は非常に有効な手段です。

メリット③:仕事の幅が広がり、キャリアアップにつながる

資格を持つことで、今まで任されなかった仕事をこなせるようになり、仕事の幅が広がります。たとえば、シンナー類などの有機溶剤を扱う現場では「有機溶剤作業主任者」の配置が、高所作業で足場を扱う際には「足場の組立て等作業主任者」の選任が法律で定められています。これらを取得すれば現場の安全管理を任される立場となり、経験を重ねることで職長や現場監督への道も開けます。

メリット④:転職市場で有利になる

建設業界は人手不足が続いていますが、有資格者は特に重宝されます。資格を持つことで応募できる企業や職種が増え、転職活動でも条件交渉を有利に進めやすくなります。待遇改善や希望に合った働き方を選びやすくなるのは大きな魅力です。

まずはこれを目指そう!塗装工の代表的な国家資格「塗装技能士」

塗装関連の資格はいくつかありますが、その第一歩となるのが「塗装技能士」です。業界で唯一の国家資格であり、塗装工としてのキャリアを築く上で最初の目標となります。

塗装技能士とは?

「塗装技能士」は厚生労働省が定める技能検定制度に基づいた国家資格です。試験は学科と実技に分かれ、学科では塗料や塗装方法、建築材料や安全衛生について問われます。実技試験では実際に塗装を行い、仕上がりの正確さや作業手順が評価されます。社会的信頼性が非常に高く、この資格を持っているかどうかで、施工会社や元請け企業からの評価が大きく変わります。

【未経験者はまず2級から】1級と2級の違い

塗装技能士には1級と2級があり、キャリアのステップアップにあわせて挑戦していくのが一般的です。それぞれの特徴を解説します。

2級塗装技能士:

受験資格として実務経験2年以上が必要です。中級レベルとされ、建築塗装、鋼橋塗装、噴霧塗装などの作業区分があります。未経験者はまず2級を目指すのが一般的で、日々の現場作業がそのまま試験対策に繋がります。

1級塗装技能士

受験には実務経験7年以上が必要です。上級レベルとされ、より高度な知識と技術が求められます。現場監督や職長といったリーダー職を目指す人や、将来の独立を考えている人にとっては必須の資格です。

ちなみに、令和5年度の合格率は2級で約40%、1級で約30%と、決して簡単な試験ではありません。だからこそ、取得すれば確かな実力の証明となり、大きな自信と評価に繋がるのです。

その他に現場で役立つ塗装関連の資格

塗装技能士が塗装工としての基本資格である一方、現場で求められる役割は「塗る技術」だけではありません。特に安全管理に関わる資格は、法律で有資格者の配置が義務付けられているものも多く、現場の中心的存在として認められるための重要なステップになります。

足場の組立て等作業主任者

塗装作業は高所で行うことが多く、足場の安全性が作業全体の品質やスピードを大きく左右します。この資格を持っていると、足場の組立・解体の手順を指導したり、安全対策を確認したりする立場を担えます。高さ5メートル以上の足場の組立て・解体・変更作業を行う現場では、法律により有資格者の配置が義務付けられているため、非常に重宝される存在になります。資格取得によって任せられる範囲が広がり、将来的な職長や監督への登用にも直結します。

有機溶剤作業主任者

塗装現場ではシンナーやトルエンなどの有機溶剤を扱うことが少なくありません。これらは塗料を希釈したり、仕上がりを美しくするために欠かせない材料ですが、同時に健康被害を引き起こすリスクも伴います。そのため、有機溶剤作業主任者は換気装置の点検や作業環境の確認、作業員の健康管理を行う責任ある役割を担います。資格を持つことで安全を守る立場となり、屋内塗装や鉄骨塗装といった溶剤使用が多い現場では特に評価されます。

未経験から「塗装技能士」を取得するには?

「資格を取りたいけれど、未経験からでも大丈夫?」と不安に思う人もいるでしょう。実際には段階的に経験やスキルを積むことで十分に挑戦できます。ここでは流れを3つのステップに分けて紹介します。

STEP1:塗装会社に就職する

まずは実務経験を積むために、塗装会社やリフォーム会社に就職します。「未経験者歓迎」の求人を出している会社は、研修制度やOJT(現場での実地研修)が充実している場合が多く、安心してスタートできます。

STEP2:2年間の実務経験を積む

清掃や養生作業から始まり、下地処理、ローラー塗り、吹き付け塗装へと徐々に作業範囲を広げていきます。これらの実務経験はそのまま実技試験の対策となり、独学では得られない実践的なスキルが身につきます。

STEP3:塗装技能士2級の試験に挑戦する

2年間の実務経験を積むと、2級の受験資格が得られます。学科試験は過去問などで対策し、実技試験は日々の業務で培った技術を存分に発揮しましょう。会社の資格取得支援制度などを活用するのもおすすめです。

まとめ

塗装工の仕事は、無資格からでも始められます。しかし、その後のキャリアや収入を考えれば、資格の有無が将来に大きな影響を与えることは間違いありません。

国家資格である「塗装技能士」は、あなたの技術力を客観的に証明し、昇進や待遇改善に直結します。さらに「足場の組立て等作業主任者」や「有機溶剤作業主任者」といった資格を併せ持つことで、仕事の幅は大きく広がり、現場で頼られる責任ある立場を担えるようになります。

未経験からでも、塗装会社で2年間しっかりと経験を積めば、塗装技能士2級への道が開けます。資格という確かな武器を手にすることで、需要の安定した業界で、長期的に安心して働き続けることが可能です。

一度身につけた塗装の技術は、一生ものの財産になります。手に職をつけ、安定した未来をその手で掴みたい方は、ぜひ塗装工への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

あなたのキャリアを応援する職場探しは「キャリコンジョブ」で

この記事を読んで、塗装工としてのキャリアプランが具体的に見えてきたのではないでしょうか。あなたのその意欲や技術を正当に評価し、次のステップへと後押ししてくれる環境選びが何よりも重要です。

建設業界に特化した求人サイト「キャリコンジョブ」では、塗装工の求人情報を豊富に掲載しています。

サイト内では、未経験からプロを目指せる教育制度が整った企業や、この記事で紹介したような「資格取得支援制度」を設けている企業、そしてあなたの頑張りが給与や待遇に直結する評価制度の明確な企業など、希望に合った優良企業をすぐに見つけられます。

理想のキャリアを築くための第一歩を、キャリコンジョブで踏み出してみませんか?

≫ キャリコンジョブで「塗装工」の求人を探す

おすすめの記事

Recommend

column

鳶職の平均年収は〇〇万円!給料アップ術と1000万円を目指す方法を徹底解説

コラム
human
CJマガジン編集部
2025年06月24日投稿
column

建設業の平均年収って実際どう?国の最新統計で業界別・職種別に徹底比較!

コラム
human
CJマガジン編集部
2025年08月01日投稿
column

土木作業員の年収は高い?年齢別平均や給料を上げるポイントを解説!

コラム
human
CJマガジン編集部
2025年09月19日投稿
column

なぜ建設業の若者離れは当たり前?その理由と求職者が知るべき業界の将来性とは

コラム
human
CJマガジン編集部
2025年10月03日投稿