屋根での作業は高所での作業となることから、ケガや転落するリスクがあります。そのため、安全対策として安全靴の使用がほぼ必須です。
安全靴であれば何でも良いわけではなく、自身の足や現場環境に適したものを選ばなければ、安全性の確保や作業効率の向上にはつながりません。
本記事では、そんな屋根の作業に適した安全靴を選ぶ際のポイントやおすすめの安全靴を解説していきます。
建築で行われている屋根工事とは?

建設業の屋根工事は、瓦・スレート・金属薄板などで屋根を葺く工事です。屋根工事によって、雨漏り防止や断熱効果の向上が期待できます。屋根は常に雨や風、ホコリなどの影響によってダメージを受けているため、定期的なメンテナンスが必須です。
屋根はどのような材料を使用していても定期的に張り替え、塗装の塗り直しといったメンテナンスが必要です。風雨から家や建物を守る役割があり、作業はほぼ高所で行うため、滑落や落下に注意しなければなりません。
また、屋根の工事では足場を組むため、同じタイミングで外壁のメンテナンスを実施すれば、施工期間の短期化や作業効率化が可能です。屋根工事においては、滑りにくさや釘の踏み抜き対策がされている安全靴が適しているといえます。
屋根工事の種類とは?

屋根工事では足場の設置や安全帯の使用などの落下防止の対策が取られているものの、多くが高所作業となるため、ケガや転落のリスクがあります。また、屋根の形状や屋根材で小規模から、大規模なものまでさまざまな工事が行われています。
ここでは、屋根工事の種類とそれぞれの作業内容についてみていきましょう。
葺き替え工事
屋根の葺き替え工事は、設置してある屋根材を剥がしたうえで撤去し、新しい屋根材を施工する工事です。屋根の工事としては最も大規模なものとなります。屋根の下地から補修・新しく設置できるため、屋根の寿命を延ばすことが可能です。
また葺き替え工事を実施すれば、雨漏りの解決や屋根を軽量化して住居への負担を軽くできます。
瓦の家を剥がすだけでも数人で一日かかるケースが多くあります。また、大規模になるほど金額も高額な工事となります。安全靴としては、通気性と耐滑性、踏み抜き防止の機能があれば、作業効率の向上が図れるでしょう。
葺き直し工事
瓦・天然スレートといった屋根材を取り外し、下地を補修・交換する工事です。下地の補修・交換を完了した後は、これまでの屋根材を再利用して屋根を葺き直します。すべての屋根材が葺き直しできるわけではなく、耐用年数が長い瓦や天然スレート葺きなどの屋根材に限られます。
既存の屋根材を再利用するため、屋根の外観はほとんど変わりません。
葺き直し工事は、屋根材の全体的な補修やルーフィング・下地が壊れている場合に行います。たとえば、築年数が古い住宅であれば、部分的ではなく、全体を葺き直すケースも珍しくありません。安全靴としては、耐滑性と屈曲性に優れた商品であれば活用しやすいでしょう。
カバー工法
カバー工法は現在の屋根をほぼそのままの状態で残しつつ、その上に新しい屋根を載せて覆う工事です。既存の屋根を撤去しないため、屋根が2重になります。そのため、葺き替えと比較した場合、日数がかからず、屋根材の撤去処分費がかからず、費用を抑えることが可能です。
また、屋根のトータルでの厚みが増すことで断熱性や遮音性が上昇します。カバー工法で解体が必要なのは、棟の板金や雪止めなどの部分に限られるため、廃材がほとんど出ることはありません。ただし、屋根の劣化が酷いケースでは施工ができません。
屋根を建築し直す作業に近いため、安全靴は断熱性と耐滑性、フィッティング性が高ければ作業しやすくなります。
塗装工事
屋根の性能を回復するために、屋根の塗装を塗り替える工事です。品質の高い仕上がりを実現するために洗浄や下地調整といった工程を経て実施します。
はけやローラーを使って塗る作業は、一見誰でもできそうに見えますが、職人のスキルによって仕上がりが全く異なります。
真夏に作業するケースもあるため、耐滑性と断熱性がある安全靴であれば、塗装作業は円滑に行えるでしょう。
棟板金工事
屋根と屋根の面が合う山状の接合部分にある棟板金を交換する工事です。棟板金は、屋根の接合部に雨水が入るのを予防しています。
屋根の他の部分よりも劣化しやすいため、棟板金だけを交換するケースも多いです。とくに気温差による金属収縮、下地の抜き板の劣化などで棟板金を固定する釘がゆるむため、時間の経過とともに棟板金の固定力は弱まります。
高さがある部分となるため、足場を組んで工事を行うことになります。また、安全靴も滑りにくいものを使用するといった準備が必須です。屋根の最も高い位置にあることから、風の影響も受けやすいため、天候をチェックしながら工事を行う必要があります。安全靴に関しては、金属を扱うため、耐滑性と足の広範囲をカバーするブーツ型を選ぶと作業しやすくなるでしょう。
漆喰工事
漆喰工事は、次のように漆喰詰め直し工事と棟瓦取り直し工事に分かれます。
・漆喰詰め直し工事-劣化が軽微な場合に実施する
・棟瓦取り直し工事-瓦がずれている、漆喰が剥がれてなくなっている部分が多いなど劣化が酷い場合に実施する
漆喰が劣化した場合は、剥がれや落下、瓦のずれ・割れ・欠けが発生するため、雨漏りにつながるリスクが高くなります。また、漆喰はただ上塗りするだけではすぐに剥離してしまうため、見た目以上に技術が求められる工事の1つです。
安全靴は、長時間屋根で作業が可能な断熱性と耐滑性を確保しつつ、屈曲のしやすい靴を選ぶと良いでしょう。
雨樋工事
雨樋の修理・交換を行う工事です。雨樋が壊れた状態となった場合は、雨水が屋内に入りこんだり、外壁を伝ったりするため、家全体の寿命を縮めてしまいます。そのため、定期的な修理や交換が必要です。
大規模工事でも小規模な工事でも、雨樋の設置は屋根の施工と同時に行われます。ただし、設置後に破損した場合は、適宜取り替えなどの対応も必要です。その場合は、高所作業となるため、足場を組まなければ、落下するリスクが上がります。
雨樋工事に適した安全靴は、防水性や耐滑性、耐熱性があればスムーズな作業が可能となるでしょう。
屋根工事で使用する靴を選ぶ際のポイント

屋根工事は高所での作業となるため、靴選びは重要です。高所作業では、靴は体を支えたうえで、転落を防止する役割を果たします。そのため、適切な靴を選べなければケガをしやすくなり、作業効率の低下やケガの発生につながるといえるでしょう。
そのため、選ぶ際のポイントを把握しつつ、現場状況や作業内容に適した安全靴を選ぶことが大切です。
断熱効果や屈曲のしやすさ
屋根は熱を吸収するため、長時間の作業を行った場合、低温やけどになってしまうリスクがあります。そのため、安全靴の断熱効果は大切な要素だといえます。また、屋根工事ではしゃがむ作業が多いため、屈曲のしやすさも重要となります。
実際に、真夏の屋根の上は、80℃以上の温度となることもあります。そのため、足裏から熱を感じるような場合は別の安全靴を用意しましょう。また、作業内容にもよるものの、金属製の屋根であれば、足のすねが切れないような安全靴を使用することで、作業中の安全性が向上します。
ソールの形状
巻き上げソールであれば、靴底素材がクッション部分まで広がっているため、瓦や凹凸がある屋根でも滑りにくくなります。ただし、巻き上げソールが全面にある屋根作業用の安全靴は滑りにくいものの、屈曲しにくい点がデメリットです。
また、水滴や油などの液体に対して滑りにくい状態にしたいという場合は、靴底に多くの溝がある製品を選ぶようにしましょう。
フィッティング性
屋根工事で使用する安全靴はフィッティング性が重要です。屋根の作業では靴の中で足がずれやすく、屋根の上での靴ずれはそのまま転落につながるので、とくに注意が必要になります。
また、靴がフィットしていない場合は、靴底が機能せず、靴が脱げて落下する可能性が高まります。屋根からものが落ちると下にいる人がケガをする危険性もあるため、フィッティング性を高める工夫がされている靴を選びましょう。
フィッティング性の低さによって、引き起こされる屋根の上での靴ずれは苦痛を伴います。また、安全性の低下は死亡事故にもつながるため、重さも考えたい要素の1つです。
屋根の作業におすすめの安全靴12選

屋根に適した安全靴はさまざまなメーカーから販売されており、製品ごとに特徴が異なります。たとえば、塗装と葺き直しでは、発生する作業が大きく異なるため、作業に適した安全靴を選択する必要があります。
ここでは、屋根の作業におすすめ安全靴を12個紹介していきます。
ミドリ安全 アクティブセフティ ワークスニーカー AS-10
耐滑性能が高く、耐久性に優れるソールが使用されている安全靴です。靴底には交換時期を把握できるスリップサインがついているため、買い替えもしやすいでしょう。また、アッパーのサイド部には通気性に優れたメッシュが使用されており、靴内のムレを効率的に逃がすことが可能です。
歩きやすさ重視の安全靴です。通気性にも優れているため、塗装や防水工事で活躍できます。
ミドリ安全 超耐滑先芯入りスニーカー WPT-125
甲被やソールなどの素材、製法にこだわっており、両足で720gの軽量設計となっている安全靴です。クッション性に優れた素材が使用されているため、足にかかる衝撃を軽減できます。
水や油が付着した床面でも滑りにくいハイグリップソールが採用されているため、多くの現場で使用可能です。
非常に滑りにくいソールを使用しており、塗装・防水・棟板金工事では使用しやすいでしょう。また、重量が軽いため、重さが気になっているという場合は負担軽減も可能です。
ミドリ安全 トビスニ TS-115N
粉やチリの付着した屋根上や高所でも、滑りにくいソールが使用されています。インソールはつま先立ちや斜面での作業においても、つま先が先芯に直接当たらない形状です。熱くなった屋根上でも靴内に熱が伝わりにくいため、低温やけどのリスクを軽減できます。
よく屈曲する板金作業などに向いています。あらゆる場所の修繕、防水・棟板金・塗装で活躍できるでしょう。
ミドリ安全 ヤネグリップ YG-15
特殊配合の材料とスリップを起こしにくい靴底の構造により、屋根上や高所での斜面や滑りやすい環境でも安全に作業を行えます。また、屈曲性に優れているため、かがむ動作が多い屋根上の作業に適しています。
リフレクターがついているため、夜間の作業でも自分の位置を知らせることが可能です。立ち作業が多い防水工事や屋根の洗浄・塗装でも活用できます。とくに、安全靴の対滑性に悩んでいるといった場合にもおすすめできる商品です。
日進ゴム 屋根プロ2・ハイパーV1300
タテ・ヨコ・ナナメすべての方向で滑りにくい構造であるハイパーVソールが搭載されています。ソール内部に断熱材が搭載されているため、地面から伝わる熱を軽減でき、履く人の負担を軽くできます。2本のマジックベルトで足を十分に固定できます。
非常に滑りにくく、屈曲もしやすい安全靴です。金属で脛などを傷つけるおそれがない現場では、幅広く活用できます。ただし、瓦の葺き替えなどでは、汚れで滑りやすくなると予想されるため、別の安全靴を用意しておきましょう。
丸五 マンダムルーフ5
2本のマジックテープが互い違いに配置されており、フィッティング性が高く、靴が脱げにくい安全靴です。足の甲に当たる部分の素材に厚みがあり、足にフィットしやすい仕様となっています。通気性が良いため、ムレにくく、快適な履き心地を体験できるでしょう。
断熱構造ソールが採用されており、熱くなった屋根上でも安全に作業を行えます。また、滑り止めラバーが360度配置されているため、滑りにくさにも期待できます。
丸五 屋根やくん03
さまざまな作業体制でも、靴のゴムがなるべく地面に接地するように設計されている安全靴です。また、靴が脱げにくいようにかかとベルトを採用しているため、急勾配の屋根でもかかとが脱げにくい点も特徴です。
とくに断熱性能に優れており、葺き替えや塗装、防水まで幅広く活用できます。また、靴ずれによる転倒・落下、作業効率の向上が図れます。
プーマセーフティー ヘリテイジ エアツイスト2.0 ロー
スエード調のカジュアルなデザインが特徴の靴です。グラスファイバーで強化した合成樹脂の先芯でつま先を保護できます。また、インソールは土踏まず部分をホールドできるため、フィット感も高めです。
静電気帯電防止の機能で帯電した静電気を靴底から逃がせます。かかとへの負担がかかりにくく、長時間履いても疲れにくいといえるでしょう。
エドウィン セーフティシューズ esm102
安全靴であるものの、普段履きの靴のようなデザインとシルエットが特徴です。鉄芯の先芯であるため、つま先を保護できます。また、素材は合皮素材であるため、手入れを楽に行えます。
普段使いできるくらいデザイン性の高い安全靴です。インソールが取り替えできるため、衛生的に使用できます。とくに塗装、漆喰工事などでは活用しやすい安全靴です。
IGNIO セーフティシューズ IGS1037TGF
ダイヤルを回すことで、フィット感を調整できる安全靴です。12,000人ほどの足型を元に設計されており、屈曲性に優れたデザインも特徴の1つです。油で滑りにくいアウターソールや靴ずれしにくいインソールが用いられています。
樹脂製先芯が採用されており、スニーカー並みの軽さです。また、EVA素材でスポーツシューズと同程度のクッション性を実現しています。
ディッキーズ安全靴 D-3311
デニム調でスタイリッシュなアッパーモデルです。鋼製の先芯でつま先を保護できます。再度ファスナーがついているため、着脱を簡単に行えます。
耐滑・耐油性に優れたアウトソールを採用しています。また、靴底の溝で屈曲性を高めつつ、作業性を向上させています。スムーズな脱ぎ履きができるため、養生シートを歩くような工事や葺き直し工事では作業効率を高められます。デザイン性も高いため、普段の生活にも使用できるでしょう。
アシックス ウィンジョブ CP212 AC
ミッドソールの前脚部と中足部に設けられた通気口から空気を取り入れ、放出する構造となっています。また、アッパーからも空気を取り込むため、シューズ内のムレを軽減できます。靴のつま先が上がる設計であるため、つまずきにくい点も特徴の1つです。
ソールには耐油性や耐摩耗性に優れた素材が使用され、滑りにくさも考慮されています。
まとめ

屋根上での作業は、すべて高所作業となるため、安全靴や足場による安全性の確保が重要です。適切な安全靴を使用すれば、作業効率アップや安全性の確保につながるといえるでしょう。屋根上作業に適した安全靴を選ぶ時は、断熱効果や屈曲のしやすさ、フィッティング性などを考慮して選ぶことが大切です。
また、作業内容や使用する現場環境に適しているかどうかも検討材料の1つです。今回紹介した安全靴の購入も検討しつつ、現場で使いやすく、動きやすいものを選びましょう。
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