建築作業時に使う手袋は手を保護しつつ、滑り止めにより作業性を高めるため、なくてはならない道具のひとつです。しかし、手袋はよく使う分種類も多く、どのような手袋を選べばよいのか迷っている人もいるかもしれません。
滑りやすさや耐久性、防寒性などに違いがあるため、目的にあった手袋を使うことで、より効率よく快適に作業できます。
本記事では、建築現場で役立つ作業用手袋の選び方とおすすめの手袋を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
作業用手袋の選び方

作業用手袋は素材や背抜きの有無など、自分にあったものを選ぶことで、快適に作業ができます。ここでは、作業用手袋を選ぶポイントについて解説します。
素材
建築現場では、主に以下の素材が選択肢となります。
・ゴム、樹脂でコーティングされた手袋
・革
ゴム・樹脂でコーティングされた手袋は、グリップ力が高く作業性が高いため、建築現場でも使われていることが多いのは樹脂でコーティングされた手袋です。樹脂部分は天然ゴムやニトリルゴムが多く使われる傾向にあります。
建築現場では重量のあるものを持つ機会も多く、グリップ力がある手袋を持っておくと、資材などを落としにくくなります。
革製品は耐火性や耐久性が高いため、火を使う現場作業の場合や、ひとつの手袋を長く使いたい場合におすすめです。また、金属の裁断などを行う場合、繊維状の手袋だと手袋を貫通して手を怪我することがあるため、革製品を使うこともあります。
ゴムや綿を素材とした手袋などは、コーティングされていない場合、滑りやすさや耐久性の面で向いていないものが多く、建築現場ではおすすめできません。
筆者は特別な目的がないのであれば、ゴムや樹脂でコーティングされた手袋を選ぶことをおすすめします。ゴムや樹脂で覆われた手袋だと、滑りにくくしっかりとものを持てることや、適さない環境も少なく、多くの現場で安定して使用できるためです。
また、本体の繊維素材にはナイロンやポリウレタンが多く使われていますが、糸の種類や特殊加工などで、吸水性やフィット感に違いが出ます。独自の素材も多く、どの素材がよいとは一概にはいえませんが、湿気が苦手な方は吸水性にも着目してみるとよいでしょう。
背抜きの有無
ゴム付き手袋の場合、背の部分だけがコーティングされていない背抜きがあると、背中部分から汗や湿気が逃げていくため、長時間作業でも蒸れが気になりにくいことがメリットです。
反面、背抜きがないゴムや樹脂で覆われた手袋は、通気性こそ悪いものの水に濡れるような現場でも作業ができます。透湿性があり、湿気がこもりにくいものもありますが、背抜きがあるものには及びません。
水道業者などのように、水で濡れる可能性が高い仕事の場合は、背抜きがないものを使うこともありますが、一般的な建築作業の場合には背抜きがある手袋を使うことがおすすめです。
タッチパネル操作の可否
手袋の中には、タッチパネルに反応するものもあります。建築現場でスマホを使う場合、手袋を外す作業は思いの外面倒で、スマホを落とす可能性もあるため危険です。
手袋を外した手は汗で滑りやすく、手袋を外す最中に高所からスマホを落とし、画面にヒビが入った同僚を見たこともあります。
スマホを使う人差し指の部分だけ開いており操作できるものや、手袋を付けた状態でタッチ操作が可能なものも登場しています。現場監督のように、建築現場でスマホを使用する可能性がある場合には、手袋を付けたまま操作が可能かどうか、確認しておきましょう。
厚み
手袋の厚みは、一般的にある程度の厚みがあるものがおすすめです。薄手のものの場合は、手を保護する機能が弱い傾向にあるため、怪我を回避できない可能性があります。厚みがあるものは、厚みがあるものは防寒性に優れ、のこぎりやカッターの刃などで怪我しにくい点がメリットです。
薄い手袋は、細かい作業でも支障が出にくいことがメリットとしてあります。しかし、細かい作業が必要となる場面は建築現場では仕上げ作業などに限られています。そのため、普段は厚手のものを持っておき、必要な場合に薄手の手袋を購入するのがおすすめです。
耐久性
耐久性も手袋を選ぶポイントです。手袋は汗や汚れが付着しやすく、現場で使用していると、劣化が避けられません。耐摩耗性が強いものであれば、耐久性が高い傾向にあり、長く使用できます。
とはいえ、手袋は汗で汚れやすいため、よいものであっても買い替えが必要になるため、耐久性を諦めて、安い手袋をこまめに取り替えるのも選択肢です。
筆者は安価な手袋を定期的に交換しており、手袋の交換はゴムがすり減ってグリップ力が下がるか、穴があくかどちらかまで使い、数ヶ月に1度くらいの頻度で新しい手袋を購入していました。
おすすめの作業用手袋10選

手袋の機能や種類はさまざまで、どの手袋を選べばよいか迷う人もいるかもしれません。ここでは、作業用手袋でおすすめのものを紹介します。
EVOLG DE-1866|Weed

画像引用:Weed
18ゲージの糸を使った極薄手タイプの手袋で、手にピッタリフィットするため、作業性が高いことが特徴です。この手袋は薄手といっても、現場作業で問題がないだけの耐久性はあります。
筆者も使ったことがありますが、作業用手袋で安価なものだと、手袋と手の間に隙間が生じ、違和感を抱くこともあります。しかし、この手袋では、そのような違和感はありませんでした。
ニトリルゴムに特殊発泡コーティングを施したことで、つけたままスマホやタブレットの操作ができることも魅力です。ホームセンターだけではなく、コンビニやで見かけることもあり購入しやすい手袋です。スマホを使うことが多い現場監督の方にもおすすめできます。
<素材>
・ニトリルゴム(樹脂部分)
・ポリエステル・ポリウレタン
<サイズ>
S:22cm
M:23cm
L:24cm
LL:25cm
ショーワグローブ ライトグリップ No.341
画像引用:SHOWA
天然ゴムを表面にコーティングした手袋で、フィット感や滑り止め性能の高さが特徴です。葉脈上の特殊な滑り止め加工がしてあり、安価でありながら、滑りにくく、安心して作業ができます。
裾部分はオーバーロック加工があり、ほつれにくくなっていることも特徴です。また、樹脂が手の形にあわせて湾曲形状をしているため、作業時の手にフィットします。一双あたり500円弱で購入でき、ホームセンターだけではなく、多くのコンビニで取り扱いがあります。
筆者は価格面や一定の耐久性があることから、この手袋を定期的に交換して使用していました。安価で、数ヶ月に一度の交換は必要でしたが、現場作業で滑ることはほとんどなく、作業性について不便に思うことはありませんでした。
天然ゴム部分にはある程度の厚みがあるため、耐久性についても安心できる印象です。次で紹介するタフレッドとほぼ同じ価格帯で、それぞれによしあしありますが、滑りにくさは、ライトグリップが上回っていると感じています。
<素材>
・天然ゴム(樹脂部分)
・ナイロン、ポリエステル
<サイズ>
S:21cm
M:23cm
L:24cm
タフレッド
画像引用:アトム株式会社
フィット感と耐久性が特徴の天然ゴム背抜きコーティング手袋です。フィット感、耐久性に優れ、細かい作業から運搬作業まで幅広い作業に対応しています。
安価に購入できるが、耐久性は十分。こちらの手袋もコンビニでよく見かけるため、簡単に購入可能です。
筆者も使用したことがありますが、手にしっかりとフィットしつつ、滑りにくさもある手袋でした。上記のライトグリップと比較すると、手にフィットする感じはタフレッドの方が上だったと思います。どちらの手袋を選ぶべきか好みが分かれる部分でしょう。
<素材>
・天然ゴム(樹脂部分)
・ナイロン
<サイズ>
SS:19.5cm
S:20.9cm
M:21.9cm
L:23.2cm
<価格>
352円
ショーワグローブ マイクログリップ No.381

画像引用:SHOWA
マイクロファイバー糸を採用し、手と手袋の一体感を高めた手袋です。繊維が細いことで、肌により密着し、手の中で手袋が滑らないため、快適に作業ができます。
樹脂部分がしっかりとコーティングされているため、薄手ではあっても摩耗に強く、しっかりと手を保護することが可能です。
細く吸水力が高い糸を使うことで、汗をかくことによる不快感も抑えられます。樹脂部分にはニトリルゴムを使用しており、油や摩耗にも強いことも特徴です。
<素材>
・ニトリルゴム(樹脂部分)
・ナイロン・ポリエステル
<サイズ>
S:22cm
M:23cm
L:25cm
XL:25cm
作業用手袋 NPU-150|ミドリ安全

画像引用:ミドリ安全
手のひらにウレタンコーティングされたソフトな手袋です。薄さと伸縮性があるので手にピッタリフィットし、ほぼ素手に近い感覚で作業できるため、指先を使う作業時に役立ちます。
私自身は指先を使う細かい作業時には、軍手を外して作業をしていましたが、仕上げ作業や細かい組み立て作業など、手袋をしたまま作業したい場合にミドリ安全の手袋を使うのも選択肢です。
通常作業用の手袋とあわせて持っておくと、役立つ場面があるでしょう。
<素材>
・ポリウレタン(樹脂部分)
・ナイロン、ゴム
<価格>
2,024円(税込)
スライドタッチeks グレー L|ミドリ安全

画像引用:ミドリ安全
親指・人差し指・中指部分の指先が開いており、スマホのタッチ操作やピンチ操作までできる作業用手袋です。意匠登録済である「パイプ編み加工」により、手袋からスムーズに3本指(親指・人差し指・中指)を出し入れできます。
スマホ操作以外にも、テープを貼る際やペンを使う際など、指先を使う作業時にも便利です。手のひらにある滑り止めにより、さまざまな作業に対応できます。湿気を吸って発熱し、心地よい温度を維持する調温効果があるため、夏場の蒸れや、冬場の寒さもカバーしてくれます。
手袋を付けたまま操作してスマホ画面を汚したくない場合、指先を使う作業がある場合におすすめです。
<素材>
・塩化ビニール(樹脂部分)
・アクリレート系繊維
<価格>
507円(税込)
ショーワグローブNo282 防寒テムレス 3
画像引用:SHOWA
防寒性能が高いポリウレタン製の手袋です。内側にはボアタイプの起毛がされており、−60度の作業であっても、手袋の柔らかい状態で作業ができます。樹脂部分はポリウレタン素材のため、寒い状態でも、柔らかく、スムーズに手を動かせることが特徴です。
また、防水性と同時に透湿性があり、汗などの湿気を外部に放出でき、作業中の蒸れを抑えられます。
特に寒さや風が厳しい冬場の外回り作業や、氷点下に近い低気温時の作業におすすめです。北海道のように冬場の寒さが厳しい場所では、用意しておかないと作業に支障が出る可能性があります。
<素材>
・ポリウレタン(樹脂部分)
・アクリル・ポリエステル
<サイズ>
M:27cm
L:27.5cm
LL:28cm
3L:30cm
PS-993 プロソウル|富士グローブ(FUJI GLOVE)

画像引用:FUJI GROVE
スマホなどのタッチ操作に対応した合成皮革の手袋です。手のひら面全体がタッチパネルに対応しているため、手袋を外した状態と変わらない操作ができます。
甲の部分はメッシュ素材で、通気性が高いため、不快に感じにくいことが特徴です。適度なフィット感とグリップ力があるため、疲れにくく長時間でも作業できます。
<素材>
・合成皮革 / ポリエステル
<サイズ>
M
L
LL
シモン 牛本革手袋 CG718
画像引用:Simon
耐久性に優れた牛本革手袋です。袖口はマジックテープで止められるようになっており、革製ながら高いフィット感があります。手のひらに補強革当て付きのため、破れにくくなっていることも特徴です。
屋根の板金工事のように、金属の裁断作業がある場合などは通常の手袋では穴が開く可能性があるが、革の手袋であれば安心できます。また本革素材の手袋は使い込むほど手に馴染むため、長時間使えるものが欲しい場合におすすめです。
<素材>
・革
<サイズ>
SS:19.5cm
S:20.9cm
M:21.9cm
L:23.2cm
防寒 ニトリル バックコート手袋 DEVOLG DE-538|Weed
画像引用:Weed
ヨーロッパ規格EN511「接触冷気」の部門で「レベル2」の評価が得られている防寒手袋です。人間工学に基づいた手形で作られており、フィット感が高く作業もしやすくなっています。
防寒手袋はどうしても厚さがあり、素材感として、硬さがあるものが多い印象がありますが、操作性を両立していることが大きな特徴です。
樹脂部分には、特殊な滑り止め加工を施してあるため、油に濡れた環境でもグリップ力が十分に発揮されることが特徴です。油などで滑りにくい点は非常に便利で、油で汚れているような現場でも通常通りに作業しやすくなっています。
冬場の屋外作業やメンテナンス作業におすすめの手袋です。
<素材>
・ニトリルゴム(樹脂部分)
・アクリル、ポリエステル
<サイズ>
M:25.6cm
L:26cm
LL:26.8cm
まとめ

作業用の手袋はパッと見るとどれも似たようなものもありますが、操作性や耐久性には違いがあります。ただし、建築作業で使う手袋としては、背抜きがあって樹脂で覆われている手袋を使うのが一般的です。
機能やフィット感を意識し、建築現場の状況や自分の好みにあわせて手袋を選ぶことで、より快適に作業ができます。
この記事を参考に自分にあった手袋をぜひ探してみてください。
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