「いつも通り寝たはずなのに、朝から体がだるい」「現場に向かう途中も眠気が取れない……」
普段から健康に気を使っているつもりでも、なぜだか最近、朝から「眠い」「だるい」「あくびがでやすい」といった症状を感じることはないですか。
建設現場において、一瞬の気の緩みや集中力の低下は、大きな事故につながる可能性があります。長く第一線で活躍する職人になるためには、日々のコンディション管理も重要です。
今回は、忙しい朝の時間でも短時間でシャキッと目を覚ます方法と、根本的な生活習慣の見直し方、そして「眠気」に隠れているかもしれない病気について解説します。
朝の眠気を短時間で解消する3つの方法

「とにかく今すぐ目を覚ましたい!」という出勤前の朝におすすめの、手軽な解消法をご紹介します。
おすすめ①コーヒー、エナジードリンク、ショウガの飲み物
カフェインやアルギニン、香辛料などを含む飲み物をとると良いでしょう。
最も身近で手軽なのはコーヒーです。コーヒーにはカフェインが多く含まれ、眠気を解消してくれます。おすすめはブラックコーヒーです。砂糖を入れすぎると、血糖値が急上昇した後に急降下し、かえって眠気を誘う原因になりうるため注意しましょう。
また、エナジードリンクなどによく含まれる「アルギニン(アミノ酸の一種)」には、カフェインの覚醒効果を増強する働きがあるという研究結果も報告されています。
実際に、常盤薬品の研究では、健常成人男性を対象とした試験を行った結果、60分間の作業を行なった場合の覚醒状態について、カフェインのみの配合飲料と比較して、その覚醒増強効果を実証しています。
そのほか、生姜やトウガラシなどの香辛料抽出物を配合した飲料も、スパイスの刺激でスッキリするためおすすめです。
おすすめ②階段の上り下り運動(10分間)
体を動かすことで、交感神経が刺激され、眠気の解消につながります。
アメリカのジョージア大学が行った研究で、身近な場所で10分間の階段の上り下りをすると、50mgのカフェインを含むコーヒーを飲むより(※この研究では約50mgのカフェインカプセル)も、眠気覚ましや活力を得られる効果が増すことが、明らかになりました。
この研究は、学術誌「Physiology and Behavior」に発表されています。
道具も要らず、手軽にできる運動ですので、自宅付近や建設現場などで階段を見つけて、実践してみてはいかがでしょうか。
おすすめ③シャワーを浴びる
起床後に出勤前のシャワーを浴びるのも効果的です。その際、お湯の温度を40~42度と少し高めに設定すると、交感神経が刺激されて一気に目が覚めやすくなります。
根本的な「生活習慣」を見直そう

毎朝、短時間でシャキッとする方法を実践することも良いのですが、そもそも睡眠時間が足りていなかったり、睡眠の質が悪かったりして、心身の疲労が回復できていない可能性も考えられます。
以下を見直してみましょう。
規則正しい生活をする
平日も休日も同じような生活リズムで過ごすようにすると生活リズムが確立し、体内時計のリズムも整いやすくなります。
夜になると自然と睡眠の準備が整って質の高い眠りが得られます。質の高い睡眠が得られると、心身の疲労を回復でき、朝スッキリ目覚めることにつながります。
毎朝、起床後に日光を浴びる
毎朝、日光を浴びることで、体内時計がリセットされ、生活リズムが整いやすくなります。曇りや雨の日のように天気が悪い日はできるだけ部屋を明るくして、脳を目覚めさせるようにするのも良いですね。
朝食を抜かない
忙しいと朝食をスキップしてしまうこともあるかもしれませんが、起床後1時間以内に朝食をとることも、体内時計のリセットにつながります。フルーツやヨーグルトなど簡単なものでも良いですが、できれば脳や体のエネルギー源となる糖質(パン、ご飯、麺など)と、体温を上げるタンパク質(卵、肉、魚、豆腐など)を一緒にとるようにしてみてください。
ハムトースト、卵とじうどん、卵かけご飯などは朝でも手軽に食べやすい1品です。
睡眠時間を確保する
すっきりと目覚められ、日中の間に眠気がこないような睡眠時間を確保しましょう。そのためには、スケジュールを調整することも大切です。仕事後のお付き合いなどもあるかもしれませんが、毎朝眠いようであれば早めに失礼して睡眠時間を確保してください。
どうしても日中に眠くなる場合は、休憩の時に仮眠を取るのもおすすめです。
就寝の2~3時間前に入浴する
就寝の2~3時間前に入浴することで、就寝前に体温を一時的に上げることができます。眠りにつきやすくなります。睡眠時間をしっかり取ることが、朝スッキリの目覚めのポイントです。寝る前の入浴は、38度くらいのぬるめのお湯がおすすめです。リラックスして副交感神経を優位にするのが良いでしょう。
就寝前のアルコール、カフェインの摂取は控える
アルコールやカフェインは中途覚醒の原因です。これらを控えれば質の良い睡眠をとることができます。疲労回復につながるため、朝の目覚めも良くなるでしょう。
もしかして病気かも?疑われる重要な病気

しっかり睡眠時間はとれているはずなのに、朝から「眠い」「だるい」「あくびがでやすい」という症状が続く場合、睡眠時無呼吸症候群や自律神経失調症、甲状腺機能低下症などの病気の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に繰り返し無呼吸状態となることで、様々な合併症をひき起こす病気です。
症状としては、睡眠中のいびきや夜間の頻尿、日中の眠気や起床時の頭痛などがみられます。睡眠時無呼吸症候群になると、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高くなります。
また、糖尿病の悪化や、高血圧や不整脈の原因になることもわかっています。
自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れている状態です。倦怠感や食欲不振、息切れ、頭痛、めまい、動悸、ほてり、発汗、腹痛、胃痛、吐き気、下痢、ふるえ、筋肉痛、喉のつまり感など様々な症状がみられます。
自律神経失調症は、不規則な生活や心身のストレス、睡眠不足などが原因で起こります。
甲状腺機能低下症とは、血液中の甲状腺ホルモンの作用が低下している状態です。症状としては、疲労感や無気力、むくみ、寒がり、動作緩慢、体重増加、便秘、記憶力低下などがみられます。
まとめ:どうしても疲れが取れないなら「働き方」の見直しを

今回は、朝から「眠い」「だるい」といった症状がある時の解消法や生活習慣の見直し方についてご紹介しました。
建設現場で安全かつ正確な作業を行うためにも、できることから実践してコンディションを整えていきましょう。
しかし、「残業ばかりで、そもそも睡眠時間を確保できない」「休みが少なくて疲労が抜けない」という環境にいる場合、個人の工夫だけでは限界があります。
職人として長く健康に働き続けるためには、「しっかり休めて、無理なく働ける会社」を選ぶことも立派なキャリア戦略です。
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監修者情報
監修:岡村信良(内科医)

【経歴】
小田原博信会 理事長
久野銀座クリニック院長
医学博士
平成18年 北里大学大学院卒、平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに平成20年に入職、院長を経て
平成25年 小田原久野銀座クリニック院長就任。
【プロフィール】
医学博士。久野銀座クリニックで院長を務める。