「入社してみたら『見て覚えろ』と放置され、質問すると理不尽に怒られる…」
「休みが少なく、ベテランの職人との価値観のズレに疲れてしまった」
建設業界で働く中で、こんな悩みを抱えて転職を考えている若手や未経験者の方は多いのではないでしょうか。
今回、建設業従事者967人を対象に、若手社員・新人の早期離職や価値観のギャップ、現場での取り組み、今後必要な対策について最新のアンケートを実施しました。現場のリアルな声と数字から、建設業界の「今」と「これから」を客観的にお届けします。
アンケート概要
・調査日:2026/3/17~3/19
・調査対象地域:日本全国
・調査機関:サーベロイド
・調査方法:オンラインアンケート調査
・回答者数:967人
・調査対象:建設業従事者
Q1. 若手社員・新人(主に新卒や20代)について、「早期離職は起きている」と感じますか?
最も多い回答は「ある程度感じる」39.1%(378人)でした。「非常に感じる」13.4%(130人)と合わせると、早期離職が起きていると感じている人は52.5%(508人)と半数を超えています。
💡 ここがポイント
注目すべきは、「わからない」が22.4%(217人)と、5人に1人以上を占めている点です。若手と直接関わらないポジションの方や、現場の採用状況が安定している方など、肌感覚としてピンとこない人も一定数いる可能性があります。
「半数が感じている」という数字は重みがありますが、「全現場で等しく起きている問題」とは言い切れません。あなたの現場ではどうでしょうか?
Q2. 若手社員・新人との間で、価値観や働き方のギャップを感じることはありますか?
「ある程度感じる」45.4%(439人)が最多で、「非常に感じる」17.6%(170人)と合わせると、価値観や働き方にギャップを感じている人は63.0%(609人) でした。
💡 ここがポイント
Q1で「早期離職が起きていると感じる」のは52.5%でしたが、「価値観ギャップを感じる」は63.0%と、約10ポイント高い水準になっています。
これは「辞めていないけれど、ズレは感じている」という状況が現場に広がっている可能性を示しています。離職は表面化した問題のひとつに過ぎず、日常的なコミュニケーションや仕事への向き合い方における"すれ違い"は、より多くの現場で起きているかもしれません。
Q3. 若手社員・新人に対して、現場で「ギャップがある」と感じやすい点はどれですか?
最多は「指示待ちが多い」38.2%(369人)、僅差で「すぐ辞めてしまう/定着しにくい」37.8%(366人)が続きます。
💡 ここがポイント
1位と2位の差はわずか3人。「指示待ちが多い」という意見が目立ちますが、これは見方を変えれば「若手がどう動いていいか分からない状態」とも言えます。
また、「厳しい言い方や職人気質を嫌がる」33.9%(328人)、「労働時間や休日への意識が強い」30.9%(299人)が続く点も見逃せません。スキルや知識の不足ではなく、コミュニケーションや働き方に対する感覚の違いが、現場でのギャップの主軸になっているようです。
一方、「ギャップは特に感じない」17.6%(170人)もあり、職場環境や現場の文化によって受け止め方には差があります。
【参考:自由回答より】
「根拠のない自信」
「直ぐにサボろうとする。何回言っても覚えない。」
「自分ができることを先輩がやっていても無関心」
現場によって具体的な悩みの形は異なりますが、主体性や関心の低さへの戸惑いが共通して見受けられます。
Q4. 若手社員・新人の定着や育成のために、実際に行っていることはありますか?
✅最多は「特に工夫はしていない」だが、言い方や伝え方を見直す動きも目立つ。

最多は「特に工夫はしていない」38.8%(375人)でした。次いで「厳しすぎる言い方を避けている」33.3%(322人)、「指示の出し方をわかりやすくしている」24.9%(241人)が続きます。
💡 ここがポイント
「特に工夫はしていない」が最多である一方、「言い方を変えている」「伝え方を工夫している」という回答が2位・3位を占めていることは、現場側の意識変化を示しているとも読めます。
一方で「教育担当・相談役をつけている」7.9%(76人)や「業務の意味や成長イメージを伝えている」8.8%(85人)は相対的に少数。日々のコミュニケーションの工夫は始まっていても、仕組みとしての育成体制づくりはまだこれからという現場が多いのかもしれません。
【参考:自由回答より】
「その人に合わせた接し方をしている。」
「なぜこの仕事をするのか理由を教えている。」
「相手が好きそうな話をする。」
「あまり自分から声掛けしないようにしている」
関わり方の調整を試みている方がいる一方、距離を置くことで対応している方もいます。「正解」がまだ見えていない現場の状況が伝わってきます。
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Q5. 若手社員・新人の早期離職を防ぐために、今後特に必要だと思うことは何ですか?

最多は「週休2日や休暇の整備」32.2%(311人)で、「残業・拘束時間の見直し」31.7%(307人)が僅差で続きます。
さらに、「ベテラン側の接し方・指導方法の見直し」29.4%(284人)が3位に入っている点も注目です。
💡 ここがポイント
現場の先輩や上司たちも「若手が辞めるのは本人のせいではなく、休日や労働時間、自分たちの指導方法(環境)を変えなければならない」と認識し始めている証拠です。
一方、「特にない/わからない」28.7%(278人)も約3割を占めます。問題意識はあっても、何から手をつけるべきか定まっていない現場が一定数あることも、この数字は示しています。
【参考:自由回答より】
「初任給を上げる。」
「この仕事が自分にどう役立つのかを説明する。」
「なるべくどうすれば良いかと問いかけて、各自に対処方法を考えてもらうようにしている。
「見て覚えろ」の会社に我慢する必要はない
今回のアンケートから、建設業界の現場でも「若手の離職は環境や指導方法の問題だ」という気づきが広がり、労働環境やコミュニケーションの改善が必要だと考えられていることがわかりました。
・早期離職が起きていると「感じる」人は52.5%(508人)と半数超
・価値観・働き方のギャップを感じる人はさらに多く、63.0%(609人)
・定着に向けて今後必要なこととして挙げられたのは、休暇・残業・接し方の見直しなど、複数の要素にまたがっている
「若手が辞めるのは本人の問題」という見方は、この数字を見る限り、現場の実感とは少しズレてきているかもしれません。
業界全体として環境改善の動きは確実に始まっていますが、会社によってそのスピードには大きな差があります。
「若手が辞めるのは根性がないからだ」
「背中を見て技術を盗め」
もしあなたの職場でまだそのような言葉が飛び交っているのなら、見切りをつけて、働く環境を変えることをおすすめします。
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