「建設業=きつくて休めない」というイメージを抱いている方は多いかもしれません。しかし、働き方改革が進む現在、業界のリアルな労働環境はどのように変化しているのでしょうか。
今回、全国の建設業従事者1,155名を対象に、1日の労働時間や休日、残業の実態について弊社独自のオンラインアンケート調査を実施しました。現場の生の声から見えてきた「建設業の働き方の実態」と、「失敗しない会社選びのヒント」をご紹介します。
アンケート調査概要
調査日:2025/10/10~10/13
調査対象地域:日本全国
調査機関:サーベロイド
調査方法:オンラインアンケート調査
有効回答者:1,155人
調査対象:建設業従事者
Q1.あなたの1日の平均労働時間(休憩を除く)はどのくらいですか?

全体1,155名のうち、8時間未満が500人と全体の43.3%、8~9時間未満が413人と全体の35.8%であり、10時間以上働く人が87名と、全体の7.5%ほど存在しています。

全体の「約8割を占める913人ほどが9時間未満の労働時間で働いている」と回答しており、1時間以内の残業で済むところが多くを占めていることがわかります。
そのため、労働時間の改善は全体では進んでいると考えてよいでしょう。
一方で、長時間労働が依然として残る実態も見られます。
9時間から10時間未満で働く人が13.4%を占めており、10時間以上働く人は7.5%いることから、2時間以上の残業を余儀なくされている人が多くいることがわかります。
Q2.週あたりの平均労働日数を教えてください。

週5日未満と回答した人が214人と全体の18.5%ほどで、それほど多くはないのに対して、週5日と回答した人が、655人と全体の56.7%を占めています。
週6日と回答した人が、237人と全体の20.5%を占め、週7日と回答した人は49人で全体の4.2%でした。

過半数の655人が「週5日勤務」と回答し、5日未満と回答した人が2割近くいます。
5日未満と回答した人については、労働時間の削減が進んでいるとも考えられる一方で、仕事がなく働ける現場がない可能性もある点には注意が必要です。
一方で、週6日以上勤務が合計で286人と全体の24.7%、約4人に1人存在しています。
小規模事業者や個人事業主の場合、「現場を止められない」という事情がある可能性もあります。納期の影響で、残業・休日出勤を余儀なくされるというケースは少なからずあるでしょう。
一方で、設計・営業・管理職層では、現場状況の影響を受けにくいため、労働時間削減に向けての取り組みはしやすいと考えられます。
Q3.残業(時間外労働)はどの程度発生していますか?

「ほとんどない」と回答した人が536人と46.4%を占めています。週に数回が270人の23.4%、月に数回と回答した人が167人と全体の14.5%でした。
一方で、毎日あると回答した人が182人と、全体の15.8%を占めています。

「ほとんど残業がない」と回答した人が536人と約半数近くを占めており、残業について一定の改善傾向が見られます。
しかし、「毎日または週に数回」残業がある人が452人の39.2%おり、4割近くがある程度恒常的に残業を行っている実態が伺えます。
残業時間の状態については、改善が進んでいる企業とそうではない企業に差があると考えられます。
Q4.直近1年で労働時間はどう変化しましたか?

直近1年での労働時間の変化について「変わらない」と回答した人が815人と全体の70.6%を占めています。
減ったと回答した人が225人の19.6%、増えたと回答した人が114人の9.9%という結果でした。

回答者全体の7割超である815人が「変わらない」と回答しており、労働環境に変化を感じていない人が多いことがわかります。
一方で、労働時間が減ったという回答が226人と全体の2割を占めており、働き方改革への取り組みが一定の効果を出していることが伺える結果となりました。ただし、アンケートの結果を踏まえると、効果は限定的で、全体としての改善はそこまで進んでいないと考えられます。
また、労働時間が増えてしまった1割の人は、人手不足による業務の集中などの影響が考えられます。社員一人ひとりに過度な負担を強いない、人員体制の整った会社を選ぶことが長く働くための鍵となります。
Q5.労働時間や働き方に関して、改善してほしい点は何ですか?(複数選択可)

「作業の効率化」と回答した人が、507人と全体の43.9%の人が回答しています。「休日の確保」が403人と34.9%が回答しています。
「デジタルツール導入による負担軽減」と回答した人は235人と20.3%、「通勤・移動時間の見直し」が234人の20.3%、「残業時間の削減」が205人の17.7%ほどという結果でした。
自由記入で回答した人の傾向としては、「給料や賃金の増加」が多く、「人材の確保や適切な配置」などについての意見が見られました。

「作業の効率化」と「休日の確保」については、43.9%、34.9%の人が改善を希望し、約4割の人が作業効率や休日の確保に課題を感じていました。作業時間を効率化させることと休日の確保については、お互いに相関関係があると考えられます。
Q1~Q4で一定の改善をしている傾向はあったものの、これらはあくまで一部であり、多くの企業では、残業の削減や休日の確保が大きな問題になっていると推測されます。
「デジタルツール導入による負担軽減」と回答した人が2割ほどいました。現状は書類でのやり取りをしている企業がまだまだ多く、デジタル化への関心も高まっていると考えられます。
残業については17.7%の人が削減を希望しており、Q1の質問で労働時間9時間以上の人が2割いたことと、一定の相関関係があることが伺えます。
まとめ
労働時間の改善について建設会社の多くが取り組みをされており、多くはありませんが、一定の成果が出ていることがアンケートの結果からも伺えます。
一方で、労働環境についてそれほど変化を感じていない労働者も少なくありません。加えて、労働環境が悪化し、長時間残業を現在も余儀なくされている人もいます。
もしあなたが今の職場の「残業の多さ」や「休日の少なさ」に悩んでいるなら、それは業界のせいではなく、「今の会社の環境」が原因かもしれません。
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