瀝青とは、天然に産出される、または主として原油の精製過程で得られる、炭化水素類を主成分とする黒色または暗褐色の粘着性のある半固体または固体の有機物質の総称です。特に日本の建設分野においては「アスファルト」とほぼ同義語として広く認識され、用いられています。瀝青の最も顕著な性質は、常温では固体または流動性の低い半固体状態ですが、加熱すると徐々に軟化して液体状になり、冷却すると再び元の状態に戻るという熱可塑性を示すことです。加えて、水を通しにくい優れた防水性、他の様々な材料に対して良好な接着性、そして水や酸、アルカリなど多くの薬品に対して化学的に安定している耐久性(耐水性・耐薬品性)を兼ね備えています。これらの有用な性質を活かし、瀝青は多岐にわたる用途で利用されています。最も代表的かつ大量に消費される用途は、道路の表面を構成するアスファルト混合物(アスファルトコンクリート)の結合材としての利用です。その優れた防水性から、建築物の屋根や地下構造物の防水材料(アスファルトルーフィング、塗膜防水、シート防水など)としても不可欠な存在です。
建設用語集
瀝青
れきせい