棟木とは、屋根構造、特に小屋組(こやぐみ:屋根を支える骨組み)における最も高い位置、すなわち屋根の頂部である棟において、屋根の勾配なりに水平方向に架け渡される主要な構造部材のことです。屋根を構成する左右の斜面(屋根面)が頂点で合わさる稜線(りょうせん)の直下に位置し、小屋組の中で最も高い場所にある横架材(水平方向の部材)となります。棟木の主な役割は、屋根の野地板(のじいた)や屋根下地材を直接支えるために、棟木から軒桁(のきげた)に向かって斜めに配置される多数の部材である「垂木(たるき)」の頂部(上端)をしっかりと支持し、正確な位置に固定することです。これにより、屋根全体の形状を正しく保持し、構造的な安定性を確保します。一般的な木造軸組工法などの小屋組においては、棟木は「小屋束(こやづか)」と呼ばれる短い垂直な束材によって支えられることが多く、その小屋束を通じて屋根からの荷重を下階の梁(はり)や桁(けた)といった部材に伝達します。
建設用語集
棟木
むなぎ