建設用語集

踏査

とうさ

踏査とは、調査対象となる地域や場所に調査員が実際に赴き、直接自分の足で歩きながら、地形、地質、植生、水系の状況、既存の構造物、土地の利用状況、周辺環境などを詳細に観察し、把握する調査活動のことです。文献や図面調査といった机上で行う調査とは異なり、現場の生の情報を通じて収集する、現地調査における基本的かつ重要な手法の一つです。建設プロジェクトにおいては、主に計画・設計段階で実施され、以下のような目的を持ちます。第一に、設計の前提条件となる現地の状況を正確に把握すること。第二に、地図や既存資料だけでは判明しない潜在的な問題点(例えば、予期せぬ地中障害物の存在、軟弱な地盤の兆候、希少な動植物の生息・生育状況、法的な規制の状況など)を発見すること。第三に、現地の実情を踏まえて計画の実現可能性を評価し、より具体的で適切な設計内容や施工計画を立案することです。道路、鉄道、パイプラインといった線状構造物のルート選定や、ダム、橋梁、建築物などの設置位置の検討においても、踏査によって得られる直接的な情報は極めて重要となります。

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