立坑とは、地表面から地下に向かって、垂直またはそれに近い急な角度で掘削された坑(あな)や空間のことです。主に土木分野、特にトンネル工事(シールド工法や山岳工法など)や地下鉄、下水道、共同溝といった地下インフラの建設において、不可欠な役割を果たします。その目的は多岐にわたり、地下深くで行われるトンネル本体の掘削機械(シールドマシンなど)の発進や到達の基地となるほか、工事中に発生する掘削土砂の搬出口、建設資材や機材の搬入口、作業員の昇降口としても利用されます。さらに、完成後のトンネルや地下空間の換気や排煙のための通風孔、ポンプやエレベーターといった設備の設置スペース、あるいは将来的な維持管理や点検、補修作業のためのアクセスポイントとしての機能も担います。
建設用語集
立坑
たてこう