建設用語集

ジオテキスタイル

じおてきすたいる

ジオテキスタイルとは、土木工学分野で広く活用されている資材の一つで、土(Geo)に関連する様々な問題を解決するために用いられる、合成繊維などを主原料とした布状・シート状(Textile)の透水性材料の総称です。この材料は、その特性に応じて多様な機能を発揮し、土木構造物の性能向上や安定化、施工の効率化に貢献します。主な機能としては、まず、粒径の異なる土層(例えば、道路の路盤材とその下の路床土)の間に設置して、それぞれの材料が混ざり合うのを防ぐ「分離」機能があります。次に、土の引張強度を補い、軟弱な地盤の支持力を高めたり、盛土や擁壁の安定性を向上させたりする「補強」機能。さらに、土中の水分を効率よく集めて排出し、過剰な水圧による地盤の不安定化を防ぐ「排水」機能。そして、水の流れは妨げずに、細かい土の粒子は保持することで、土砂の流出やフィルター材の目詰まりを防ぐ「フィルター」機能が挙げられます。これらの機能を単独で、あるいは組み合わせて利用することにより、道路、鉄道、河川堤防、海岸護岸、トンネルなど、非常に幅広い土木工事の現場で、構造物の耐久性向上、工期短縮、コスト削減などを目的に不可欠な材料として用いられています。素材としては、ポリエステルやポリプロピレンなどで作られた織布や不織布が一般的です。

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