TPとは、東京湾平均海面(Tokyo Peil)の略語であり、日本の国土における土地の高さ(標高)を表すための基準(測量の基準面、標高ゼロ)として定められているものです。具体的には、東京湾の長期間にわたる潮位観測に基づいて算出された平均海面(中等潮位)を標高のゼロメートル(TP±0.0m)と定義し、これを日本の高さ(水準)測量の基準としています。このTP基準は、東京都千代田区永田町1丁目にある日本水準原点の標高(2019年5月27日以降の告示値でTP+24.3900m)を定める際に用いられたものであり、国土地理院が発行する地形図に記載されている山の高さや土地の標高なども、原則としてこのTPからの高さで表示されています。建設分野、特に大規模な土木工事(ダム、橋梁、トンネルなど)や、河川・港湾に関連する工事、あるいは津波や高潮などの影響を考慮する必要がある沿岸部の建築工事などにおいては、設計図面や施工管理において、この絶対的な高さの基準であるTP値が用いられることが多くあります。図面上では「TP+○○.○○m」といった形で表記され、相対的な高さ基準であるGL(設計地盤面)やKBM(仮設ベンチマーク)とは異なり、全国で統一された海面からの高さ(標高)を示すものであるため、異なる場所やプロジェクト間での高さの比較や、公共工事における設計・施工の整合性を取る上で重要な役割を果たします。
建設用語集
tp
てぃーぴー